インタビュー

デビューから10年。開花しつつある選手が河村雅章だ。
今年に入り、初めてのGIである高松宮記念杯競輪に出場を果たした。
しかしただ果たしただけではなく、自力で動くスタイルで積極的にレースを作り成績も残しているのだ。
その好調の要因を本人に聞いた。

好調は妻のおかげです。
 「大きい記念レースも出させてもらって、調子自体も今一番良いのじゃないかという感じですけどね」
と切り出した河村雅章。確かに、河村の名前は聞いていたが、気になるようになってきたのは、ここ最近だ。
 調子が上がったポイントを率直に聞いてみた。
 「練習で長い距離を踏むようになってきて、それが徐々に出てきたのかなという感じですけど。それまでは、だいたい皆と合わせて、上から1周とか400mとかもがいていたんですけど、やはり自分で考えて、先行した時に1周半ぐらいは持たないとダメだって、長い距離を練習していたんですよ。それが徐々に自信に繋がって、先行して残れるようになってきました。
 それ以前は、怪我とかも色々していたので、そういう怪我もしなくなったのが結構大きいなと思っているのもあるし、自分にあった練習方法を徐々にわかってきたというか、レースが掴めてきたのかなと思います」
それまでは周りに合わせていたという河村。変わったきっかけはどのようなことだったのだろうか?
「S級に上がって、強い人達とレースをするようになって、自分の足りないところがわかってきたので、そこを強化するような練習をして結果が出てきたのかなという感じです。
 周りの若手の選手とかにどんな練習しているの?とか話ししたりとか、先輩選手、後閑信一さんとか平原康多さんとか最近は開催が一緒なので、話を聞いたりとかすると、やっぱり自分のもがく距離が足りないんだなって感じたので、みんなの意見を参考にして、長めにもがくようにしました」

河村雅章 東京・92期
 その効果がでて、気持ち的にも環境も変わったようだ。
 「(昨年1月に)結婚もして、自分も一人だけではないので、そういった責任感とかもあるし、気持ちの持ちようとか変わってきたので、その辺も調子が良くなってきている原因だと思うんですよね」
 妻の献身的なサポートが河村を支えている。
 「家のことはほとんどやってくれているし、食事も自分のことを考えてくれて、塩分が多すぎないようにしてくれたりとか、野菜とか多めに出してくれたりとか健康面ではサポートはしてくれているので、それが結構大きいですよね。
 (奥様と)付き合い始めから、ドンドン調子が上がってきて、S級に上がって、S級初優勝もしたし、奥さんと一緒になってからも上がってきているので、やはりサポートのおかげが大きいですね」
 当然のことだが。
 「もう抑えられっぱなしですよ(笑)。頭が上がらないですね。自分一人だけだと強くはなれないですよ」
 好調の要因が判明したところで、戦法について聞くと。
 「今のところは、先行主体で頑張って、歳を取ってきたら追い込みに回ってというのもあるんですけど、今は自分で動けているのでそこでなんとかできればね。今は前で頑張ります」
 今の練習仲間についても聞いた。
 「今は立川が使えないので今は西武園で練習しているんですけど、西武園の若手に引っ張られながらやっています。すごく雰囲気はいいですよね。和気あいあいとして。大矢崇弘君(東京・107期)とか内藤高裕君(東京・96期)、樋口兄弟とか埼玉の子達もきてくれるので丸山直樹君(埼玉・93期)とか馬場和広君(埼玉・98期)とか笠松将太君(埼玉・100期)とか結構きてくれるので若手の中で長い距離をもがいています」
 練習仲間の若手のパワーも河村の好調の要因の一つだった。

 今後の目標は?
 「大きいレースに出させてもらうようになってきたので、そこで優勝をなんとか獲れたらいいかなと思っています」
 さらに大きい目標を聞くと
 「選手になったらGIで優勝して稼ぎたいですね」
 ファンへのメッセージは
 「自分の持ち味は先行まくりなので、それで熱いレースを見せられるように頑張ります」
 今後も大きな目標に向かって前進していって欲しい。

河村雅章(かわむら・まさあき)
1983年4月21日生まれ。身長163.3㎝、体重70.7㎏。
趣味は車だそうで、「車が好きなので色々車を乗り継いでいます。今は家庭ができたので、家を買ったので、小さくなりましたけど記念を獲って良い車乗れるように頑張りたいです」