インタビュー

被災地支援 第32回共同通信社杯を優勝した竹内雄作選手。優勝インタビューで「ラインのおかげです」と何度も語っていた竹内。彼に中部ラインのこと、そして、グランプリの出場権について、そして今後の目標などを語ってもらった。先行に真っ直ぐに生きる男の実直な言葉が胸にぐっときます。
師匠には『まだ気を抜くなよ』と言われました
富山競輪場で9月16日から19日に行われた『被災地支援 第32回共同通信社杯(GII)』を逃げ切りで優勝した竹内雄作。
「記念もまだ3着以内もなかったので、(GII優勝は)素直に嬉しいですね。
(勝因は)やはりラインのおかげしかないと思います。今回は好調っていう感じで富山に入ったわけではなかったし、その前の岐阜記念で不甲斐ない成績だったので。それに、新しいトレーニングを取り入れながら乗っていこうということで、試しながらという部分が大きかったのですけど、自分の戦法だけはしっかり走って、確認したいというのがありました」
決勝戦は、竹内-浅井康太-西村光太の中部ライン、対戦相手も強力で平原康多-神山雄一郎-佐藤悦夫、新田祐大-守澤太志、単騎の園田匠だ。
レースは、平原が西村をどかして、中部の3番手取った。打鐘から先行する竹内。最終バック前から平原が捲っていくが、それを浅井がブロックし、平原と佐藤が落車。神山も追い込んできたが、竹内が最後の力を振り絞って、逃げ切り、優勝を果たした。
「ラインで、浅井さんが優勝してくれればいいかなと思っていましたし。ラインから優勝者がでればと思っていつも走っていますから。ラインから優勝者が出れば自分の勝ちと同じようなものだと思っているので、そのような競走は心がけていました」
「レース前から浅井さんに『獲れるんだから、落ち着いていけよ』とずっと言ってもらっていて、常々『自分が獲るレース』をと言ってもらっているんです。自分としては、自分のレースをして、ゴール前に浅井さんに抜かれているだけなので、それは力の差だと思っています。そこで逃げ切れば、自信にもなりますし、そういう思いで走っていました」
優勝直後のインタビューの時では『早く師匠の山口富生さんに報告したい』と言っていたが、報告した時はどんな言葉を交わしたのだろうか。
「ここがまだゴールじゃないし、とりあえず、おめでとうとは言っていただいたのですけど、この優勝に伴って年末も見えてきた部分があるので、『気を抜くなよ』と言われました」
山口の言葉にもあるように、この共同通信社杯の優勝で、賞金ランキング7位(10月1日現在)に浮上し、年末のグランプリの出場権も見えてきた。しかし、上位には中部の選手も多く、その争いについて竹内はどう思っているのだろうか。
「それは狙えたら狙いたいですけど、自分の場合は、出られなかったら、それは力の差だと思うので。だから中部の争いとかは特に気にせずに、毎レース毎レース、自分の力を出していければなと思ってはいます。
自分のレースをする。それが出来ない時には勝てなかったりもするし、自分も納得いかないレースだったりするので、やっぱり自分の納得いくレースをして、結果がついてくればと常々思っています」
中部勢が好調な分、レースで中部の自力同士で並ぶこともあるだろうが、そういう時はどうやって前後を決めているのだろうか。
「いや、特にないんですけど、自分は前でやらせてもらいたいということを伝えさせてもらって、あとはどうなるかっていう感じなんですけども。深谷(知広)君とかの場合はお互いに自力があるので、自分が我がままを言って前をまわしてもらう部分が大きかったんですけど、深谷君も調子がいいので全部が全部そういうふうにはいかないと思います。勝ち上がれればいいんですけど、けっこう失敗していることも多いので、あれですけど。それはその時の2人の話し合いで決まりますし。深谷君が、前を走ると言う時は任せたいという感じで、その時次第ですね」
共同通信社杯を優勝しているが近況を見ると、FIは優勝しているけど、なかなかGIで勝てず調子を崩していた時期もあるように思える。
「それはGIを意識し過ぎていたと思います。FIは特に意識しないでレースに臨めるんですけど、GIとなると誰もが勝ちたいレースなので、そういう面で気負い過ぎたり、調整が上手くいかなかったりというのがあるので、なんというかメンタルというかはそんなに強い方ではないので、そういう部分なのかなと思います」
その気負いは、GIIを獲って気が楽になった部分もあるのだろうか。
「それで気を抜いてしまってはダメなので、その後はまだ走ってないので何とも言えないですけど、楽には駆けさせてもらえなくなると思うので、そこは考えてレースをしないといけないと思っています。

寬仁親王牌は予選スタートなので、一戦一戦しっかり戦っていきたいと思います。競輪祭にピークが合うようにしているので、自分の中ではまだまだ本調子ではないと思うんですけど、最近調子があがってきた部分を上手く活かせればなと思っています。
 少し体重が落ちてしまったので、それを戻すにしても、ただ体重を増やしても筋量が伴ってこないので、今の練習段階ではまだかみ合っていない部分はあるので。もう少し考えて練習しないといけないなというのはあります。それにスピードが伴ってこないと、ただ重いだけになってしまうので。そういうところをトレーナーさんについてもらっているので、(山口)幸二さんのトレーナーだった人に今はついてもらっています。今はトレーナーさんと相談しながら、ちょっとずつっていう感じですかね」
寬仁親王牌は予選スタートなので、一戦一戦しっかり戦っていきたいと思います。競輪祭にピークが合うようにしているので、自分の中ではまだまだ本調子ではないと思うんですけど、最近調子があがってきた部分を上手く活かせればなと思っています。
少し体重が落ちてしまったので、それを戻すにしても、ただ体重を増やしても筋量が伴ってこないので、今の練習段階ではまだかみ合っていない部分はあるので。もう少し考えて練習しないといけないなというのはあります。それにスピードが伴ってこないと、ただ重いだけになってしまうので。そういうところをトレーナーさんについてもらっているので、(山口)幸二さんのトレーナーだった人に今はついてもらっています。今はトレーナーさんと相談しながら、ちょっとずつっていう感じですかね」
山口幸二氏のトレーナーについたことによって、竹内に身体だけじゃなく、他の力もついてきたそうだ。
「最初見てもらった当初は自分の不足している部分が多すぎたので、ただ言われるがままにやっていた部分が多かったんですけど、そこから徐々に自分が話を理解して、自分はもっとこうしたいとか、あーしたいとか、そういう話が出来るようになりました。最初はただ指導をあおいでいるだけだったんですけど、今はそこに関して話しをしながら出来ているので、そういう部分に関しては知識として自分の中に出来てきているのかなと思います」
そうなっていくと、さらに強くなっていく。
「はい、でも、まだまだ幸二さんの位置には達していないので、まだまだ頭を使っていかないといけないんですけど」
目標を聞くと、やはりという答えが返ってきた
「やはりGIIは獲れましたが、記念もまだだし、さらに上のGIを獲ってというふうに目指していけたら一番いいですね」
インタビュー中、すべての答えを淀みなく話してくれた竹内。本人はメンタルが弱いと言っているが、本当にメンタルの弱い選手にこんな力強い答えの数々は出てこないだろう。
「自分の持ち味は先行なので、先行で勝てるように練習していくので、応援してください!」
自分を信じ、前へ、前へと踏んでいく。竹内の熱い走りをこれからも期待したい。
竹内雄作 (たけうち・ゆうさく)
竹内の最近の癒しの時間はお子さんと遊ぶ時間だそうだ。「子供が生まれて、少し大きくなってきたので、子供といる時間ですかね。」
10月で1歳4ヶ月と今が一番可愛い時だろう。「段々とやんちゃになってきたんですけど(笑)、それも可愛いですね」