インタビュー

グランプリ2016は村上義弘の優勝で幕を閉じた。2016年を振り返って、村上は苦しい一年だったと振り返ったが、その苦しさを超えた最後に笑顔を見せてくれた。
2017年もファンの期待に応え、一戦一戦で全力で頑張ると誓ってくれた村上。今年も村上義弘から目が離せそうにない!
グランプリを優勝出来て、まだ夢の中にいるような心地です
-10度目のグランプリ出場、そして、優勝した今の気持ちを教えてください。
「いつも思うことですけど、ラインの力を信じて、…苦しい戦いになってきていますけど、その中でまた日本一になれるというのは夢のようです」
-2016年はどういった一年間でしたか?
「特別の決勝に乗れたり、数字的にはある程度まとめられたと思うけど、その中でも勝ち切れない部分もあって、自分の中ではもどかしい一年でした。
…2016年は本当にしんどかったのひと言ですね(苦笑)。でも、最後に笑いたいと思って、どんな結果になっても、全力を尽くして笑いたいと思っていたので、最後のグランプリで笑えてよかったです」
-年齢の話もされていましたが、その中でモチベーションを保つには?
「今の現状で数字を残すには、近畿の仲間が一生懸命に頑張ってくれたり、刺激を与えてくれたおかげだと思います」
-グランプリで連携した稲垣裕之選手も、2016年にタイトルを獲りました。それも力を与えてくれたのでは?
「稲垣とは若い時から一緒にやってきたし、こうしてグランプリの舞台で一緒に走れて、最高の走りをしてくれました。今後、近畿の中心になって、近畿を引っ張っていってくれると思います」
-10度目のグランプリは、今までと違う気持ちでしたか?
「グランプリに関しては、一番最初に挑戦した時から変わらず、毎回『これが最後かもしれない』と思って走っているので、悔いの残るレースはしたくなかったし、思い切って、いい判断も出来たし、一年の溜まったストレスを吐き出せた一戦だったと思います」
-平原康多選手が好調だったし、人気もありましたが、平原選手は気になりましたか?
「今、平原は日本一強い選手だと思うし、あとは自分たちの最高のパフォーマンスを発揮するしかないと、それで、やっとそれで展開が向いて、噛み合って、それでゴール勝負があるだろうし、稲垣が本当にいい展開を作ってくれて、優勝することが出来てよかったです」
-レースを振り返って、残り1周くらいで一本棒でしたが、そのあたりの心境は?
「展開が思ったよりも早かったし、稲垣が行くタイミングも早かったので、もう一回くらい動きがあるんじゃないかと思って、その辺は集中していました」
-最終バックから平原選手が捲ってきていました。
「スピードもすごくよかったし、張り気味に行ったんですけど、ちょっと平原のスピードに合わせ切れないかなと思いましたが、バンクコンディションもあったし、そういうところが自分に向いたかなと思います」
-立川は直線が長いと言われていますが、長く感じましたか?
「そうですね、…本当に長かったです」
-優勝した瞬間どんな思いがこみあげてきましたか?

KEIRINグランプリ2016 ゴール
「本当に夢のようとしか言いようのない、今でもそんな気持ちですね」
-同年代の武田豊樹選手が『村上さんが勝ってよかった。改めて、自分も頑張らないといけない』と言っていました。
「武田さんは同年代で、自分も目標にしていますし、競輪祭で武田豊さんがグランプリの出場を決めた時は、敵ですけど感動もしたし、またグランプリという舞台で一緒に走れて嬉しかったし、武田さんの活躍を刺激にして、自分も頑張っていきたいと思います」
-娘さんから手作りのお守りをもらったそうですね。
「娘がグランプリの前検日の朝に手渡してくれました」
-一番の支えはご家族だと思いますが、この優勝をどう報告しますか。
「競輪を中心にしていて、家族には迷惑をかけていると思いますが、でも、すごく応援してくれていますし、喜ばせてあげられてよかったです」
-優勝は夢のようだと言っていましたが、この後の夢の続きはどこにつながりますか?
「自分の理想とする競輪選手像がありますが、少しでもそこに近づけるように頑張りたいと思います」
-2017年はチャンピオンユニホームでの戦いになりますね。
「責任のあるものだし、また苦しい一年になるかもしれないけど、しっかり頑張っていきたいですね!」
-ファンへひとこと。
「2017年も一戦一戦、全力を尽くして、一つでも皆さんに喜んでもらえるように頑張りたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
村上義弘 (むらかみ・よしひろ)
村上選手が思う、競輪の魅力は?
「子どもの時に見た夢を今も見続けている、そして、それを叶えてくれる仕事というかスポーツというか、僕にとって競輪は生きがいでもあるし、これからも競輪にしっかり向き合っていきたいと思います」