インタビュー

高松宮記念杯優勝に続き、サマーナイトフェスティバルも優勝を果たした新田祐大選手。宮杯が終わってからはアメリカで競技大会に参加、日本に帰ってきてからもジャパン・トラック・カップで活躍し、その直後にサマーナイトフェスティバルと多忙を極めた。しかし、東京オリンピックを意識することで競輪も強くなっていると新田は語る。
"ドリームシーカー"夢を追い続けるからこそ手に入る強さ、その体現者こそ新田祐大、その人だろう。
日本の競輪、オリンピック、その両方で頂点を目指していきたい


-優勝した今のお気持ちは?
「優勝出来ると思っていなかったので嬉しいですね」
-決勝戦を振り返っていかがでしたか?
「初日に同じようなタイミングのところで、同じような位置からの深谷(知広)の仕掛けがあったので、あの時の悔しさというか、同じようなミスをしたくないという思いが、決勝戦のレースに出たのかなと思います」
-どういう組み立てを考えましたか?
「スタートを取って、動く人の後ろから仕掛けようと(渡邉)一成さんと作戦を立てていたのですが、その後の動きはわからないので、流れを見て、あとは力勝負しようということで結果、ああいうレースになりました」
-三谷竜生選手がカマした時に、3番手の原田研太朗選手から離れましたが、その辺りはどうでしたか?
「原田君も追いかける形で1周まわっていて、原田君もきつかったと思いますけど、僕ら後ろの選手もきつかったですね。(最終ホームの)あのタイミングを逃してしまったら、あとはチャンスがないと思って行きました。一か八かダメ元で仕掛け、もし僕がダメでも一成さんが仕掛けてくれると思ったので、あとは後ろを信頼して仕掛けられたことが勝利につながったと思います」
-仕掛けた手応えは?
「バック線を過ぎてから蛇行してしまって、かなりエネルギー切れのような状態だったんですけど、もう勝ちたいという気持ちでゴールまで踏み切れました」
-優勝の確信はどの辺りでしましたか?
「いや、もうゴールまでわからなかったですね」
-優勝した瞬間は?
「ホッとした部分と、2着が一成さんだというのがすぐにわかったので、それがすごく嬉しかったですね」
-グレードレース連続優勝になりますが、その感想は?
「あまり意識はしていないですけど、高松宮記念杯の時も言っていたように、とりあえず一戦、一戦、出来ることをしようと思っていました。どうしてもナショナルチームは疲れが残る状態でレースに参加しているので、その中でも勝ち切るということを重要としているのかなと思います。
今回もなんとか優勝にこぎつけたという感じですけども、レースとしては、やはり対戦相手は強かったなと思います」
-このサマーナイトフェスティバルを優勝すると"夜王"と呼ばれたりしますね。
「あの、第1回夜王の有坂直樹さんが頑張れって言ってくれていたらしいので、それも力になりましたね(笑)」
-伊東温泉競輪場での優勝、どうでしたか?
「東京オリンピックが迫ってきていますし、その会場である伊豆ベロドロームが、ここから近いので、そういう意味ではこの大会もオリンピックを意識していかなきゃいけないなと思っていたので、この優勝はよかったです。それにガールズケイリンフェスティバル優勝の小林優香選手も僕らのチーム・ドリームシーカーのメンバーで、彼女も昨年ケガをして悔しい思いをしているし、まだガールズグランプリ(出場メンバー)は決まってないので、最低条件ここを優勝することだと思っていたので、目の前で彼女の優勝を見たことは励みになりました。東京オリンピックを常に意識することは、勝利につながったし、今後もつながっていくと思っています。日本の競輪、オリンピック、その両方で頂点を目指していきたいと思います」
-次にはオールスターが控えています。
「はい、地元のいわき平でオールスターがありますね。ファン投票2位ということで、今年はあまり走ってなかったし、昨年のグランプリで失格というよくないレースをしてしまったのに、それでも応援してくださるファンの方々がたくさんいてくださることがわかったので、なおさら気合が入る開催になります」
-ファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
「地元のオールスターのオールスターも精一杯頑張りますので、ご声援よろしくお願いします。これからも熱いレースを期待してください!」
新田祐大 (にった・ゆうだい)
1986年1月25日生まれ 身長172cm 体重86kg
7月上旬に行われた自転車競技大会ジャパントラックカップでスプリント予選の200mフライングタイムトライアルで9秒8という驚異的なタイムを出した新田。相当仕上がっているのは間違いないようでした。