インタビュー

渡邉一成選手が2度目のタイトルを獲得した。しかも、新田祐大選手と地元のいわき平競輪場で決めたワンツーで、場内のファンは大きな声援で応えた。来年もいわき平でオールスターがあり、そこでの活躍や、2020年へのオリンピックへの意気込みなど、さらに大きく羽ばたこうとする渡邉選手への期待は高まるばかりだ。
もっともっと強くなれると自信を持っているので、それを如何なく発揮していきたいです
-優勝の心境は?

「最後が内からの形になってしまったので、ちょっと不甲斐ない部分もあったんですけど、優勝は素直に嬉しいです」
-一度目のGI優勝から何か違う部分はありますか?
「格好いいレースで勝ちたかったなっていうのはあったんですけど、でも、優勝するんだという執念だけは誰にも負けない気持ちで走りました」
-地元開催でどうでしたか?
「緊張もなく走れました。1月のGIIIのときは本当に緊張しましたけど、でも、東京オリンピックが控えているのに、ここで緊張して身体が動かない状況ではオリンピックでは勝負できないと思っていたので、決勝も余裕を持って走れました」
-記念も優勝でしたが、今回は?
「最終日は朝から天気があまりよくない状況でしたが、決勝だけは雨があがって、最高の状態で走れたと思いますし、最高の結果がついてきたので本当に嬉しいです」
-新田祐大選手の番手でしたが、どんなレースを期待していましたか?
「決勝戦の通りですね。竹内(雄作)君がいれば番手勝負も考えながらでした。ただ、今回の新田君の仕上がりは特別によかったので、安心してついていました」
-深谷知広選手が先行し、北日本は4番手からの勝負になりましたね。
「脇本(雄太)君や原田(研太朗)君のカマシ、捲りなど、そういう予想もあったんで、アクシデントもあって、4番手が取れて、本当に新田君の踏み出しに集中できたし、後ろからの攻めにも気を配れたのでよかったです」
-残り1周の新田選手の仕掛けはどうでしたか?
「完璧ですね。脇本君が捲ってきたのも見えましたし、仕掛けてからの新田君のスピードというのは本当にビリビリして、内入って一緒に踏んでいたら、内に差しちゃったんで、申し訳なかったけど、踏ませてもらいました」
-優勝の確信は?
「確信はゴールの瞬間にわかりましたが、あれだけ踏み込んでも抜けない新田君の強さっていうのは、僕の中でやはり偉大だなっていう風に感じました」
-その新田選手とグランプリ確定ですね。

「まだまだ展開とか考えるのは早いですけども、9月以降も2人で活躍出来るように、常々言っている平原(康多)さん武田(豊樹)さんのような強力なラインを形成していきたいですね。
 昨年の段階で、グランプリの舞台でやり残したことがたくさんあったんで、新田君も同じ思いだと思うんで。今年はもっと2人でいいレースをしたいなと思います」
-また、地元いわき平でのオールスターがありますね。
「今年だけではなく、2年連続なんで、その2年続けて僕を含め地元勢で優勝を持っていきたいと思います」
-では、競技と競輪の両立で、初めてGIを獲った時と感じている変化はありますか?
「今は競技をメインにトレーニングしているので、前みたいな戦法っていうんですかね、先行でのペース配分っていうのはイマイチつかみ切れてないんですけども脚力だけはあがっているので、そこを上手く競輪に活かせるように転換していきたいですし、もっともっと強くなれると自信をもっているので、もっと、それを如何なく発揮できる展開にもっていきたいと思います」
-この後の目標は?
「やはりここを目標にしていたので、まだ先のことは考えてないですけども、ワールドカップが始まるのでそこを目標にトレーニングに励んで、そうすれば、競輪も結果はついてくると思うので、このまま勢いよく突っ走っていきたいと思います」
-最後にひと言どうぞ。
「今回、地元で優勝できたのは、北日本全員のサポートもあって、後輩がしっかり育ってきて、あと、これまで自分のやってきたことっていうのも少しは後輩の糧になったのかなという風に思っているので、今後も北日本を引っ張り続けられるような選手でありたいですし、グランプリまでしっかりとトレーニングに励んで最高の舞台で最高の結果を求めていきたいと思います」
渡邉一成(わたなべ・かずなり)
1983年8月12日生まれ。身長176cm、体重80kg。
今後のスケジュールは?
「10月後半、11月頭からワールドカップが始まるので、まずはそこを目標に、練習メニューは組まれていきます。僕の中ではなくて、監督の中に秘めたものがあると思うので、僕はそれに、故障で練習できないとか、疲れて練習できないという状況にならないよう、しっかりと万全の状態で日々のトレーニングに励むだけです」