インタビュー

2018年の最初のGI・第33回読売新聞社杯全日本選抜競輪を制した新田祐大選手。選手からもファンからも誰もが現在一番力のある選手と認める存在だ。しかし、本人曰くオリンピックを目指すためにはまだまだ力が足りないと言う。ハードな練習、そして求められる結果、苦しい心境を吐露しつつ、それでも、まだまだ強くなると力強く語る新田選手のインタビューをどうぞ。
-優勝の感想を聞かせてください。
「まずはホッとしています。今年が始まってから、まだ競輪を一本も走らないで、トレーニングのみだったので、しかも、そのトレーニングがハードだったのですごく疲れていて、少し不安があった中でのレースだったので、なんとか走りきってホッとしました」
-そんな中で1走を終えた時の心境はどうだったんですか?
「力を出すだけの走りであれば、戦えるのかなという感じはありました」
-2018年最初のGIでグランプリの権利を獲得しましたね。
「今年からオリンピックへのポイントが始まってくるので、すごく重要な年になっていくと思います。そのスタートでつまずかないように、世界でも活躍出来るようにするためには、僕をはじめナショナルチームのメンバー全体的に足りない部分がまだ多々あるので、それをどういう風に補っていくかというと、もう練習しかないし、その練習にはどうしても時間が必要なので、その時間を作るために、競輪を走りたいけど走れない、走っている場合ではないというか…、でも、競輪を走る時には成績を残さないといけないという苦しいプレッシャーの中で走らないといけないので、そういう意味では、僕がまずグランプリの権利を獲得することによって、皆(ナショナルチーム)やっていることは正しいんだって思えるような結果になったと思います。どんどん皆も強くなると思うので、ナショナルチームの強さを競輪でも発揮できるような、そういう風に今後なっていくと思います」
-では、決勝戦のレースを振り返ってください。スタートは牽制になりました。
「そうなるだろうと思っていました」
-原田研太朗選手の後ろ、前から2番目を取ったのは?
「後ろの並び次第だったんですけど、ラインとしては関東か近畿が本線になるので、そこを僕がどう戦っていくべきか考えながら走っていました」
-実際、青板バックからレースは動いていきましたが。
「予想とはちょっと違ったんですけど、でも、レースが動いてからは自分の理想の位置が取れましたし、そこからの仕掛けも理想通りでしたし、理想通りの展開の中でゴールまで向かうことが出来ました」
-その仕掛けですが、手応えはいかがでしたか?
「少し平原(康多)さんとタイミングが一緒だったので、どうなるかなと思ったんですけど、なんとか乗り切れるかなと思いました。でも、後ろに原田さんか山田(英明)さんがいると思ったので、ゴール前勝負になるかなと思っていました」
-3コーナーが一番きつかったと思うのですが、その辺はどうでしたか?
「平原さんだったり、前の選手の動きが僕の中では思っていた通りだったので、動じずに挑めたので、つらさにはつながらなかったですね」
-どの辺りで優勝を確信しましたか?
「いやー、ゴールまでわからなかったですね」
-ゴールした瞬間は?
「優勝したって感じでした」
-その後にファンの皆さんからたくさんの声援があったと思います。
「四日市競輪場で初めてのGI開催だったので、お客さんもすごく楽しみにしていたと思うので、そんな中で波乱とか落車のアクシデントもあったんですけど、そういう中で、決勝という一番ヒートアップしている中で走ることが出来たので選手冥利だと思いますし、あれだけの大勢の人の前で走れるのは本当に嬉しさでいっぱいでした」
-ファンの皆さんにメッセージをどうぞ。
「いつも応援ありがとうございます。なんとか2018年はいい始まり方をすることが出来ました。これが僕もですがナショナルチームの皆に、オリンピックを目指す上でいいきっかけになればと思っています。始まったばかりなので、これで気を緩めずに、世界選も始まりますし、その後はオリンピックポイントも始まります。その一戦一戦をしっかり戦って、オリンピックへいい形でつなげていきたいと思います」
新田祐大 (にった・ゆうだい)
1986年1月25日生まれ 身長172cm 体重86kg
これからのスケジュールは?
「終わって次の日から練習で、2月末から3月頭にかけて世界選手権があって、そこまで調整して、その後にウイナーズカップがあって、その後はまだ決まっていません」是非とも世界選手権でもメダルを期待したいです。