インタビュー

第72回日本選手権、第69回高松宮記念杯、そして今回の平成30年7月豪雨被災地支援・第61回オールスターと連続でGI決勝に進んでいた脇本雄太選手。いつ獲ってもおかしくないと言われ続けた男がついに優勝を果たした。競技と競輪の両立、その中で培った集中した練習と強いメンタルを活かして得た優勝の二文字。彼が目指すこれからの目標とは!?
3度目の正直で獲れたことは本当に嬉しいです!
-GI初優勝の感想は?

オールスター決勝戦、最終ホームのもがき合い
「今年はGIの決勝に何度も乗りながら、なかなか優勝出来ずにいてもどかしい気持ちがあったんですけど、3度目の正直で獲れたことは本当に嬉しいです」

-日本選手権、高松宮記念杯の決勝で得たものは活かされたんですか?
「僕の中ではいい教訓になりましたし、それがあったからオールスターの舞台でしっかり優勝出来るように頑張ろうという気持ちがあったので、うまくいってよかったです」
-レースについてですが、スタートは後方からになりましたが、どのように考えていましたか?
「僕の中では意識することなく、牽制があったら前に出て組み立てようと思ったんですけど、すんなり並びも決まって、自分の好きな後ろからになったので、自信を持って駆けることが出来ました」
-周回中はどんなことを考えていました?

圧倒的なゴール
「竹内(雄作)さんと先行争いがあると思ったので、それをいかにうまく乗り越えようかなと考えていました」

-竹内選手が先に動いていきました。
「先行争いは覚悟していたので、その中でも浅井(康太)さんを越えられるかどうかが勝負だと思っていたので、そこを決められてよかったと思います」

-竹内選手に少し合わされながらも踏んでいった時はどうでしたか?
「正直、自信はなかったですね。その先行勝負に負けたら自分が弱かったのかなというだけなので、そこをまず勝負することだけを考えていたし、うまくいってよかったです」
-前に出切ってから後ろは確認しましたか?
「全く見る余裕はなかったですね。最終バックでは、(渡邉)一成さんも強いですし、捲ってくるのかなと不安もありながら走っていました」
-最終4コーナーでは誰も後ろから来ていませんでしたが、それはわかりましたか?
「そこも全く見てなかったです」
-最後の直線は?
「直線はものすごく長いなって思いながらも、必死に踏めたと思います」
-ゴールは1人で駆け抜けましたが、いかがでしたか?
「まさかこんな大きい舞台で後ろを引き離してゴールすることが出来るなんて考えてなかったので、ちょっと遅れて、やっと勝てたんだなって実感が生まれました」
-優勝の実感はどの辺りで生まれました?
「1周まわった後くらいですね」
-声援はいかがでしたか?
「声援はすごく多かったので、何としてもこの声に応えなければっていう使命感は大きかったです」
-ゴール後の声援はどうでしたか?
「最初は『あれ? 優勝したの』って感じだったので、『おめでとう』って言われて嬉しかったですね!」
-これでグランプリ出場が決まりましたね。
「そこは変に意識することはなく、しっかり競技と競輪の両立をしていきたいと思います」
-ナショナルチームの練習が競輪につながったことはありますか?
「そうですね、東京オリンピックのケイリンでメダルを獲りたいって強く思っているので、1日1日集中して練習している成果だと思います」
-今後の予定は?
「すぐにインドネシアでアジア大会があるので、そこでも集中して走りたいと思います。その後はまだどういう予定なのかわからないですけど、ワールドカップ、寬仁親王牌と大きいレースが続くので、それもしっかり頑張りたいと思います」
-GI覇者として、今後の目標は?
「こうして先行でGIを獲れたことによって、自分が思っていた先行日本一を掲げながら、今後もGIを走れると思うので、これを胸に次からも頑張りたいと思います」
-ファンにメッセージをどうぞ。
「今年はずっともどかしい気持ちになりながら、今回のオールスターに挑んできたんすけども、やっと期待に応えることが出来ました。これからも競技と競輪で頑張っていきたいと思いますので、応援よろしくお願いします」
脇本雄太(わきもと・ゆうた)
来年のS級S班への思いは?
「まだ実感はないですね。嬉しい半面、走る機会は他の選手に比べるとどうしても少なくなるのでちょっと残念に思いながら、でも、頑張りたいと思います」