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新田祐大(福島・90期・S級S班)
北日本の絆から優勝を手に!
第62回オールスター(GI)を優勝した新田祐大選手。菅田壱道選手に前を任し、渡邉一成選手、佐藤慎太郎選手が後ろを固めました。新田選手に『オリンピックに向けて頑張ってほしい』という気持ちをレースに表してくれた北日本の仲間の想いを受け、新田選手は今までで一番緊張したそうです。
競輪を走る時は一走、一走頑張りたいと思います!
-オールスターを優勝した心境はいかがですか?
「すごく嬉しい気持ちと、レースに挑むまでのドキドキ感というのが今までの競輪人生の中で一番緊張しました」
-その緊張の理由は?
「まずは責任ある位置に対してですね。先輩2人と後輩の熱い想いも聞いていましたし、『オリンピックに向かって頑張れ』っていう気持ちを形にするって言っていただいたので、それを形にしたいって自分もドキドキしていました」
-菅田壱道選手は新田選手を先輩と呼んで慕っていますが、前を任せてどうでしたか?
「高校生の頃、海外遠征も一緒に行っていましたし、彼は1つ下の学年なんですけど強かったのも見ているし、追いつけ追い越せの感じだったんですけど、彼が僕を慕ってくれて、『大きい舞台で一緒に戦いたい』って言っていたのが現実になりました。今まで僕が先輩たちと今日みたいなレースをして、北日本から優勝者が出る喜びというのを今回は壱道も感じてくれたと思うし、先輩たちも嬉しかったと思うし、僕自身がすごく嬉しかったです。この喜びを皆で分かち合って、今度は壱道が感じる場面も出てくると思うし、その時は僕もバックアップできる選手になっていきたいと思います」
-レースを振り返って、新田選手の前受けからレースが始まりましたね。
「作戦としては前受け、中団、後ろからになった場合、誰かが切りにきた場合など、ほとんど考えていました。その中の前受けのパターンになったので、あとは壱道のことを信じて走っただけですね」
-郡司浩平選手があがってきましたが、菅田選手は突っ張って先行していきました。
「かなり力強い走りで、僕が危なかったですね(苦笑)」
-バックでは平原康多選手が捲ってきましたが、どう見ていましたか?
「そこが重要な部分だったんですけど、僕自身が壱道の先行力がびっくりするくらいあるなって感じて走ってしまったので、自分の力が思っていた以上に減ってしまいました。そこで上手いタイミングで平原さんが来て、僕の仕掛けるタイミングとしては最悪になってしまいました」
-番手から出て行った時はもう優勝するぞって強い気持ちで踏んでいったと思いますが、平原選手の抵抗もすごかったです、どうでしたか?
「優勝というよりは平原さんを絶対に出してはいけないって気持ちで踏んでいました。でも、半車くらい出られていたし、もう走路のほとんど角度のないところを走っていたので転ぶかもしれない、ただ、先輩たちもついてくれている、何か傷跡を残したいと思って走ったことが、たまたま優勝につながったと思います」
-優勝の手応えはどの辺りで感じましたか?
「ゴール線を踏み切るまでは全然わからなかったです」
-優勝を確信した時の心境は?
「『壱道やったぞ! 一成さん、慎太郎さんやりました!』って思いました。慎太郎さんがゴールして一番近くにいたので、『よかったな』っていう声をかけていただいて、すごくホッとしました」
-ファンの皆さんに選んでいただいたドリームレースに選出されたわけですが、ファンの声援はどうでしたか?
「成績がいい時、強くなっている時は声援がすごく後押しになっているのを感じるし、自分がよくない時に温かい言葉や激励をいただくと、さらに奮起できます。どのレースでもそうですけどオールスターは特に声援が力に変わる大会だと思っているので、今回も声援が後押しして、優勝まで導いてくれたと思います」
-この優勝で、グランプリの出場権も獲得しましたね。
「グランプリを見据えて頑張らないといけないですし、そこにかける先輩、後輩の熱い想い、慎太郎さんもここでかなり近づいたし、そうやって一緒に戦える先輩と、後輩もまだまだチャンスあるので、皆と頂点を目指していきたいと思います」
-今後の目標は?
「国内の競輪を走る機会が少なくなってきた中で、今回、オールスターを走って年末のグランプリにつながったと思いますし、その恩返しという意味でも国内の競輪を走る時は一走、一走頑張りたいと思います。その先にある東京オリンピックに関してはまだ出場は確定していないので、オリンピックに出場できるように、一番はケガをしないように、日々の練習を頑張っていきたいと思います」
-ファンにメッセージをどうぞ。
「皆さんの投票のおかげでドリームレースといういい位置からオールスターを走ることができ、最終日、優勝といういい形で締めることがでました。連日、なかなか天気が安定しませんでしたが、そんな中でもファンの皆さんから声援をいただき、後押しされました。ありがとうございます!」
新田祐大(にった・ゆうだい)
1986年1月25日生まれ。身長172cm 体重86kg
今後の競技の方のスケジュールは?
「オールスターのすぐ後にジャパントラックカップがあり、あとは未定ですけど、全日本選手権、アジア選手権、どこにいくかは決まっていませんがワールドカップ、世界選です」