月刊競輪WEB|KEIRIN.JP
村上博幸(京都・86期)
積み重ねてきたモノが優勝につながった!
第28回寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメントで優勝を飾った村上博幸選手。今年は2月に奈良GIIIを優勝、7月の第15回サマーナイトフェスティバルを優勝と結果だけ見るとGIII 、GII、GIを獲り、好調続きに見えますが、途中には落車や古傷の痛みに苦しんだ時もあったそうです。それを乗り越え、手にした栄冠。今まで培ってきた経験、練習で積み上げた力を活かし、さらに総合力をあげていきたいと語る村上選手は、近畿にとってさらに頼もしい存在になっていきそうです。
総合力で勝負していきたいと思います!
-優勝した心境は?
「(三谷)竜生のおかげで、こうして40歳でGI優勝できて、本当に嬉しいです」
-結果的に、4日間、三谷選手の後ろからになりましたが、どうでしたか?
「竜生を信頼しているので、何も考えず任せています」
-レースを振り返って、作戦は?
「スタートは中団からということで、あとは特になかったですね。あとはタイミングでっていう感じです」
-清水裕友選手の番手が並走になりましたが、前の動きは把握していましたか?
「はい、把握していました。そういうところは4日間通して、周りが見えているなっていうのを感じていました」
-三谷選手が打鐘めがけて仕掛けていきましたが、ついていていかがでしたか?
「あとは自分のライン取りと練習で色んなことを意識してレースで確認作業という認識で走っているんですけど、それを確認しながら走っていました。だから、余裕はありましたね」
-後方は見ていましたか?
「見ていました。清水が(後ろに)入ったのはわかったので、あとは微妙な自分の車間の間合いと自転車の寝かせ方だけを意識していたので、抜きに行く時もイメージ通りにペダリングできたと思います」
-ゴールの後はすぐにガッツポーズも出ていましたね。
「そうですね、ここ最近は優勝してもちょっと余裕がなかったというかガッツポーズするのが不安だったんですけど(苦笑)、今日は自然と出てよかったです」
-今年は序盤にGIII優勝、サマーナイトフェスティバル優勝もあり、順調に始まったかと思いますが、どうでしたか?
「順調だったなと思いますし、練習でやったことがそこそこレースで出ているなって思いました」
-その後にオールスターの落車や地元GIIIの欠場がありましたが、不安に感じる部分もありましたか?
「オールスターの落車で指の靭帯をケガして、指は初めてのケガだったので、どういう風に処置していくかも難しかったんですけど、その中でも自分でやれる範囲でトレーニングしました。向日町GIIIの前は古傷が炎症を起こしてしまったんです。毎年、向日町GIIIを走って、1年でどれだけ成長したか、するかと思って臨んでいて、僕の1年は向日町の平安賞からだというイメージを持っています。痛みがあって出れませんでしたが、脚力的にはバツグンに仕上がっていたと思うので、その中で再発だけはしないように今回に臨めたというのはよかったかもしれないですね」
-今年はルールも変わり、進化というか変化もありましたが、その辺はどういう風にとらえられていますか?
「ルール変更を聞いて、それように練習もしていましたが、33で新ルールも初めてで、しかもドームで、若い選手の強さやロングスプリントにちょっと戸惑いました。そこは今後の課題の1つに入っているので、もう練習しかないなと思っています」
-その筆頭が脇本雄太選手だと思いますが、いかがですか?
「脇本は自分には見えないくらいの強さなので、対処はしていかないといけないと思っていますけど、スピードだけの勝負じゃなく総合力で勝負していきたいと思います」
-GI優勝し、グランプリの出場権も獲得しました。
「今年に関しては、GIII、GII、GIと獲れて、賞金でもいい位置につけているし、いいトレーニングと噛み合っていると思うので、グランプリまで2か月もっと成長できるように頑張りたいですね」
-これからの目標は?
「1日、1日を競輪のことだけ考えてやっているつもりなんですけど、そこに隙を作ると自分が落ちていきそうな気がするので、そういう姿勢を忘れないように、自分のプラスになることを探して、それがまた結果につながればいいので、それをまた見つけていきたいです」
村上博幸 (むらかみ・ひろゆき)
1979年4月15日生まれ。身長166cm 体重69kg
声援はいかがでしたか?
「すごく嬉しかったですね! 今、なかなか目立てていないっていうのはあるんですけど、その中で応援し続けてくれているファンの方たちに本当に感謝です!」