ガールズグランプリ壮絶な女子3人(小林莉子、荒牧聖未、戸田みよ子)の争い
競走得点1点以内!最後の切符を掴んだのは…!?
優勝賞金300万円。これに加え副賞が加わるとされる「ガールズグランプリ」。その出場権を巡り壮絶な女の戦いが9月28日からの京王閣で繰り広げられた。開催前までに出場が決まっていたのは中川諒子、加瀬加奈子、中山麗敏、中村由香里、増茂るるこの5人。出場できるのは7人。残り2枠をかけて6位の小林莉子、7位の荒牧聖未、8位の戸田みよ子が揃って参加。小林から戸田まで、競走得点の差は1点以内。決勝に進出できなければその時点で権利を失うほど熾烈を極めた。前検日から3人の表情は硬く、普段より口数は少なく重苦しい雰囲気が検車場に漂っていた。
予選1。小林と戸田が同乗。逆転を狙う戸田にとっては1着が欲しい(1着の得点は56点)。わずかなアドバンテージを持つ小林は、前走の平塚決勝で流れ込み3着。明らかに守りに入っていた。レースは越田恵美子が単騎でカマし小林が2番手に入り番手捲りを放ち1着。戸田は後方に置かれたまま5着に終わった。笑顔を浮かべる小林に対し、戸田はうつむき涙をこらえるのに精一杯。続く7Rに登場した荒牧は手堅く2着と大一番へ一歩前進した。
予選2は小林と荒牧が対戦。2着の小林、4着の荒牧は決勝進出を決めた。もう後がない戸田は1着権利。決勝に駒を進め夢をつなぎたいところだったがいいところなく4着。8位、次点のままで12月28日を迎えることになった。ただ、戸田はデビュー戦で失敗。そこから盛り返しての8位は立派と言ってもいいだろう。
初めての「ガールズグランプリ」だが、開催が決定しその選考基準が明らかになったのは8月29日。9月の斡旋が1本だけの女子は逆転したくてもチャンスがない状況。せめて10月一杯ならもっとドラマも生まれただろうし、もっと盛り上がったに違いない。選考委員会が開かれるのは10月中旬以降。9月からそこまで失格を2回喫した選手は除外されると言う。
10月1日、京王閣ガールズ決勝ゴール
7人の顔ぶれを見ると全員が優勝経験者。複数回優勝は中川、加瀬、中村、増茂の4人。デビュー当初は加瀬と中村の2強と言われていたが結果を見ればそうではない。特に増茂の頑張りと中川の安定感が目立った。涙を呑んだ戸田、優勝1回の門脇真由美。その他にも悔しい思いをした選手は多くいる。来年以降はしっかりした基準を早く設けるべきだろう。
京王閣競輪場より