チャレンジレースで感じたこと
岸田知明 埼玉・76期
佐々木賢一 秋田・64期
デビューしたての若手、イキのいい自力型が多く揃うチャレンジ。その一方で40歳を過ぎたベテラン、引退間近の選手も参加している。初日、2日目は出入りが激しいレースは見られるものの最終日は、特に1、2レースは迫力に欠ける。平均年齢が30歳を超え、動ける選手は見当たらない。スピード感がなく観戦する方にしてみれば、気持ちが盛り上がらない。それでも「車券を取りやすい」という声もあり、一概に良いとか悪いとかは言えない。
迫力に欠けると思っていたチャレンジ最終日の1、2レース。しかし、10月8日の平塚はひと味違った。山崎寛巳の先行一車になった1R。もちろん人気は山崎から。山崎マークは軍司竜也。これに飛び付きが得意な中村光がいて、2着争いは混戦模様。以前は動いていた岸田知明も自信がなさそう。簡単に読める展開。配当は低くても2点で取れそうな雰囲気はあった。レースは予想通り山崎の後ろで取り合い。普段の開催ならこのままの流れでゴール。ところが最終バックから岸田が捲りを放った。惜しくも届かなかったが2着。3連単は1万540円の高配当になった。
続く2Rでも佐々木賢一が魅せてくれた。このレースも99期の若手・高橋昇平の先行一車。最終ホーム過ぎ6番手の佐々木が勢いよくカマし後続を千切った。佐々木が1着なら高配当は必至。1Rの岸田に刺激を受けた訳ではないだろうが、動きの少ないチャレンジでベテランが若手に喝を入れるかのようにも思えた。結果は悲しいかな4着。それでも大観衆から大きな拍手を浴びていた。
7月から「ガールズケイリン」が始まり、その売り上げはチャレンジをしのいでいる。冒頭に書いたように単調なレース展開が売り上げに響いているのも事実。しかし、岸田や佐々木ように競走得点が65点前後の選手が動いてレースを乱す。乱すだけでなく岸田のように連に絡めば、チャレンジの1、2レースを敬遠していたファンも戻ってくるかもしれない。特に佐々木はファンに興奮を与えたことは事実だし、次に佐々木が走る時にはオッズに変化が見られるかもしれない。佐々木と岸田、同じような点数の選手が、彼らの走りを見て何かを感じて欲しい。