インタビュー

ミカエル・ダルメイダ フランス S級2班
輝きを見せ始めたロンドン五輪銀メダリスト
 短期登録で9月に来日した選手は8人。ロンドン五輪のメダリストが4人。中でも一番上の色を持っているダルメイダ(フランス)が注目を集めていた。五輪では惜しくもあのクリス・ホイが率いる英国に敗れチームスプリントは銀だったフランス。その最終走者を務めたのがダルメイダ。今回が2度目の来日で、前回(2010年)は優勝経験もある。期待しないほうがおかしいくらいのキャリアだ。だが、2年前とはまるで別人。銀メダリストの輝きはどこにいってしまったのだろう。11月の小田原まで4開催。11走して1着は0。2場所目の高知は準決勝では内圏線踏み切りで失格と散々な成績。本人に聞くと「コンディションは悪くないのだが。どうして勝てないか自分でも分からない。日本人が2年前より強くなった」。それ以上は口をつぐんだ。

左からサンダーランド、ダルメイダ、バンベルトーヘン
 333バンクの小田原。後ろに置かれてはいくら力のある選手でも苦しい。予選、内に詰まり気がつけば8番手。必死に仕掛けたが届くはずがない。これで12走、未勝利。いつになったら目が覚めるのだろう。2日目。俗に言う「負け戦」。ここでやっと逃げ切った。「勝てて良かった。予選や準決勝でなくても1着は嬉しい」。だがこれはあくまでも立て前。本音は「このメンバーで逃げ切るのは当たり前」。初勝利の要因の一つにギアを3.92に上げたことも挙げられる。2年前に来日した時、このクラスで大きなギアをかけている選手はまだ、そんなに多くはなかった。しかし今回は違う。対戦する選手皆が、大きなギアになっていた。プライドを捨てた結果が初勝利につながった。とはいっても相手が相手だったのも事実だ。
 そして迎えた最終日。2日目と違い相手はS級トップクラスの力を持つ水谷好宏が相手。苦戦は免れない、そう思っていたが赤板から突っ張り、一度も水谷を前に出させない先行で逃げ切り。初めて銀メダリストの輝きを見せた。今後は白星を量産するだろう。同じ開催にはロンドン五輪・ケイリン銅メダリストのバンベルトーヘン、サンダーランドも参加。特にバンベルトーヘンは親日家で、宿舎では銅メダルを日本選手の首にかけ写真を撮るなどしていた。結果は残せなかったが、8選手の中で一番、先行にこだわりを見せている。ダルメイダ同様、11、12月は大暴れしそうだ。


小田原競輪場より