インタビュー

重光啓代 岡山 102期 A級2班
これからも先行で期待に応えていきたい!

重光啓代 岡山・102期
 やっと本格化してきた。181㎝の恵まれた体を活かし切れていなかった重光が、1月平塚IIで2度目の決勝進出を果たした。今開催の優勝候補は2場所連続Vと勢いがある渡辺ゆかり。その渡辺を追うのが白井美早子だった。渡辺、白井も決勝には進出したが、初日に1番目立ったのは重光だったかもしれない。予選1。先行タイプが不在で実質、重光の先行一車。人気は浦部郁里に集中していたが、浦部は自力選手ではなく、スタートを決めてから番手に飛び付くのがパターン。またこの日は近隣の小田原で瞬間最大風速が40mを超えるなど、最悪のコンディション。外を歩くのも困難、そんな状況だった。
 レースは誰も仕掛けず最終ホーム。最後方の重光が、一気に飛び出した。181㎝、この体なら強風も感じない。堂々と逃げ切り、8月京王閣以来の2勝目を挙げた。検車場に帰ってくるなり「今のは先行ですよね?」と報道陣に逆取材。初勝利が追い込みだっただけに、先行を公言する重光にとっては大きな喜びとなった。決勝へ大敗を喫しなければいい2日目の予選2。中山麗敏にマークしての流れ込み。「小さい競走をしてしまいました」と反省した。それでも7月の松戸以来のファイナル進出に笑みがこぼれた。渡辺、白井が順当に勝ち上がった決勝。「2日目が情けなかったので先行で頑張りたい」と入れ込んでいた。逃げた重光後位で渡辺と白井が併走。これが長引き初優勝が頭をよぎった瞬間、森美紀の捲りが飛んできた。「悔しい。デビューしてこれほど悔しかったことはない」と下を向いた。結果は4着。逃げて見せ場は作ったと周囲も慰めたが、本人は納得しなかった。
 今までの重光ならこれほどまでに悔しさをあらわにしなかった。だが今回は初日を走り終え確かな手応えをつかんでいたから、悔しかった。「絶好の展開を生かせなかった」。悔しがり反省するのはそれだけ成長した証拠。玉野競輪場のほか、静岡・伊豆市の競輪学校でも汗を流す毎日。「今まで先行で勝てるようにやってきた練習は間違えじゃなかった。これからも先行で期待に応えたい。ガールズグランプリも私が出場してレースを動かす」。今年は重光を要チェックだ。


平塚競輪場より