インタビュー

郡司浩平 神奈川 99期 S級2班
多くのことを学んだS級デビュー戦
 S級デビュー戦はほろ苦かった。神奈川期待の星・郡司浩平が勇んで立川にやってきた。ご存じの通り郡司の父はA級1班の盛夫。父は名マーカーとして活躍してきたが、息子は先行一本。A級では敵なしと言っていいほどの成績を残してきた。「ここまでは順調だったと思います」。緊張感はなく前検日から周りの雰囲気に飲まれることなく落ち着いて自転車を組み立てていた。「普段通りの競走ができれば自然と結果はついてくる」と自信ものぞかせていた。

郡司浩平 神奈川・99期
 期待を背負って臨んだ予選。メンバーも自在な須賀和彦と低迷している篠塚光一との3分戦。どう考えてもレースは組み立てやすかった。いったん前に出て先行態勢を取った郡司だが、ここでペースを落とした。そこを篠塚に叩かれ万事休す。あのまま先行していればどうにでもなったはずなのだが「A級ではあの展開になれば誰も来なかった」。これがA級とS級の差。8着に敗れてうなだれた。郡司が敗れた結果、3連単の配当は10万円を超える波乱に。2日目一般戦。今度は初日の反省から思い切って飛び出し先制を決められた。誤算だったのがマークした山崎充央が離れてしまったこと。2番手に動ける大谷靖茂に入られてはいくら頑張っても苦しい。6着で2走目を終えた。ただ「結果は6着だったけど、逃げることができた。踏んだ感じも悪くなかったし、何より自分のスタイルを貫けた」と納得の敗戦だったようだ。余談だが、この日も3連単は40万円を超えた。
 2走して手応えをつかんだ最終日。初勝利も現実味を帯びてきていた。対戦するのは初日と同じ篠塚と須賀。同じ失敗は繰り返さないと本人もファンも思ったが、7番手に置かれ仕掛けられず6着。見せ場を作れたのは2日目だけでS級初戦を終えた。「自分の力が分かったし、これからまた頑張ります」。潜在能力の高さは誰もが認めるところ。S級で場数を踏めば十分に通用する。S級の壁、とまでは言わないが肌で感じたデビュー戦。負けん気が人一倍強い郡司なら、この悔しさを必ず次に生かせるはずだ。


立川競輪場より