インタビュー

柴田功一郎 神奈川 79期 A級1班
また上位で戦いたい、その思いが全てを変えた
 2月17日からの平塚FIシリーズの主役はS級が松坂洋平、A級から特昇がかかっていた小原太樹の地元2人だった。ところが、松坂は準決勝で敗退。小原こそ決勝には進んだが、初日に失敗しS級特昇を逃している。そこで2人に代わってスポットライトを浴びたのが柴田功一郎だ。A級決勝、初めてA級1・2班戦で決勝進出を果たした木村弘(青森)には自力型の相馬竹伸(青森)で二段駆け態勢。これに一発の魅力がある加賀美智史(山梨)がいて、小原と柴田も苦戦は覚悟だった。

柴田功一郎 神奈川・79期
 しかし蓋を開けてみれば、打鐘から小原が一気にスパート。木村が必至に叩いて出ようとするが、柴田が牽制。加賀美も動けず柴田にとってはこれ以上ない展開。「木村君が浮いて、相馬君が捲ってきてるのも分かったけど、小原のかかりが良かったから。3コーナーではもしかしてって思いました」。追いすがる遠藤勝行を抑え歓喜のゴールへ。実に2009年7月の花月園以来の優勝になった。
「長かったですね。花月園の翌年かな、岐阜で1着失格をしているんです。決勝2着もなくて、このままダメになるんじゃないかと思った」と苦しい時代を振り返った。このままでは終われない。そのために出来ることをしよう。昨年2月から週3、4回通っていたファストフード店に行くのを止めた。大きなハンバーガーを頬張るのも止めた。結果、78㎏あった体重が、今は74㎏。さらに今年2月からは禁煙。「また上のレベルで戦いたい」。その思いが柴田を変えさせた。
 精神面の成長に加え、今回は新しいフレームと4.00のギアがマッチした。「前回の立川から新しい自転車。そして3日間4回転を使ったんです。次の平塚はギアがかかっている小原君と一緒だし、それも考えて」。新車の前は勝瀬卓也のモノを借りていた。「寸法は全く同じ。若干、新車の方が固いかな」。3日間、連には絡めなかったが、確かな手応えはつかんだ。36歳、まだまだ上積みが望める年齢。生活を改めた今、さらに勝ち星を量産してバンバン優勝する可能性は十分。表彰台の真ん中、忘れていた喜びを思い出した柴田から、しばらく目が離せない。


平塚競輪場より