インタビュー

小野寺悠太 福島 97期 A級3班
先行で強くなって27歳までにS級入りを!
『やる気スイッチ』が、ONになった。2月18日に決勝戦が行われたナイター開催の松山FII「まつやま農林水産物ブランド賞争奪戦」。チャレンジ予選、準決勝を連勝で勝ち上がった小野寺の鼻息が荒い。「最近はやらなきゃいけないと、自覚が出てきた」と、意識改革をしきりにアピールするのだ。

小野寺悠太 福島・97期
 3月で満1歳になる愛息・輪汰郎君の存在が、小野寺を変えた。一昨年9月に入籍したが「ちょっと事情がありまして…」と、現在は男手ひとつで子育て中とか。「ほとんどの時間、息子と一緒にいますね。練習は師匠の白石大輔さん(88期)らと街道中心にやっていますが、母親に車誘導をやってもらう時は、息子を助手席に乗せている。まだ11カ月なのに、TV中継でジャンが鳴ると、画面に釘付けなんですよ」と目を細める。戦う25歳の父親のDNAは、しっかり受け継がれているようだ。
 以前は、稼いでは遊ぶの繰り返しだったという。「生活は荒れていましたね。貯金もほとんどない状態で結婚しましたから。子供ができてからは遊びは封印。練習もただメニューをこなしていただけだったのが、考えてやるようになった」。足りないスピードを補うために、紹介してもらったトレーニングジムで肉体改造にも取り組み始めた。そこから成績が安定、1月の小田原でデビュー初Vを果たす。振り返って「ずっと周りに迷惑をかけていたが、優勝して少しは恩返しができたかな」とはにかんだ。
 目標の選手はS級S班の浅井康太(三重・90期)。浅井のレースを見て、セッティングもフレームの色もまねた。「自分は浅井さんのような器用さはない。ただ、浅井さんも上位に上がるまでは、押さえ先行基本にやっていたというし、自分もまずは先行で強くなりたい。27歳までにはS級に上がりたい」と目を輝かせる。
 迎えた松山の決勝戦は、自力同士でタッグを組んだ月森亮輔-山崎泰己の岡山101期コンビの前になすすべなく4着に敗れた。それでも「調子はずっといいし、以前よりも冷静に、余裕を持って走れている。子供に不自由な思いをさせたくないし、もっと頑張らないと」と、さらなる成長を誓う。守るべきもののために、小野寺はこれからも攻め続ける。


松山競輪場より