インタビュー

白井美早子 大阪 102期 A級2班
自分のスタイルを貫き通したレースで力を付けていく
 初優勝の期待が大きく膨らんだシリーズ(2月20日~22日松戸)だった。メンバーを見ても白井が堂々の主役。地元の浦部郁里はいても、自分でレースを組み立て、先行できるのは白井と重光啓代くらい。本人も前検日からその辺は意識していた。「練習はしっかりできたし、自分のレース(先行)をして結果を残したい」と好気合だった。

白井美早子 大阪・102期
 予選1、先行一車の組み合わせ。いったん森美紀が前に出て番手に入ったが、最終ホームからすかさずスパート。後続を寄せつけない力強い走りで逃げ切り。驚いたことに初日の1着は何と初めて。「そうなんですよ。初日に1着、それも逃げ切ってだからめっちゃ嬉しいです」と初Vに向けて幸先いいスタートを切った。だが、冷静に考えて見れば勝って当然の相手。「ガールズグランプリ」や「ガールズコレクション」には出場できなかったが、実力はそこに名を連ねてもおかしくないのだから。予選2も予選1と同様に最終ホームからペースを握った。飛び付いた浦部が番手を確保。しかし、白井のスピードは衰えず逃げ切って連勝。「調子はいいですね。決勝は優勝を意識せず、自分のスタイルを貫き通したい。その結果、優勝できればいい」。
 迎えた決勝戦。浦部が前を取り、打鐘から重光が抑えに出る。それに併せて白井も前に踏む。重光を出させて浦部にインで粘らせたところを叩く。そう思った瞬間、白井は重光を突っ張り、主導権を握る。「もし、重光さんを出させてから自分が仕掛けると外に浮く危険があった」。番手に入った浦部が直線で抜け出し初V。白井は惜しくも2着に敗れた。検車場に引き上げてきた白井、「先行できたから。それで負けたのは自分に脚がないから」といっさいの言い訳はしなかった。今回一緒に参加したS級の南修二から「目先の事は考えず、今は先行して力を付ける時」とアドバイスされていた。南の助言と自分の考えが一致した結果、準優勝。次につながるレースだったことは間違いない。「大阪に移籍してから、いっそう練習に身が入るようになった。まだまだこれからです」。今のガールズケイリンでここまで先行にこだわるのは加瀬加奈子と白井くらいだろう。完全V、初Vはお預けになったが、3日間のレース運びを見れば、白井の逃げ切りVが近い内に実現する、そう思えてならなかった。


松戸競輪場より