インタビュー

渡辺ゆかり 山梨 102期 A級2班
身体作りにギア選択、アスリートとして進化し続ける
 昨年7月のデビュー場所もここ、平塚だった。その時は決勝に進出はしたものの未勝利。今回で6度目の参加となった渡辺。「平塚は良く呼ばれるし思い入れがある競輪場。1月に走った時は連勝で勝ち上がったけど、決勝は2着だった。今回はぜひ優勝したい」と前検日から気合いが入っていた。気合いが入っていたとういうより余裕があった、そう言った方がいいかもしれない。シリーズの優勝候補筆頭は中村由香里。そして渡辺。2人の「ゆかり」対決が注目された。

渡辺ゆかり 山梨・102期
 予選1。もちろん断トツの人気を背負った。興味は勝ち方だった。メンバー的に早めに飛び出す選手は見当たらず渡辺が逃げると予想された。道中は4番手。そろそろ仕掛けようと思った最終ホーム。6番手の三輪梓乃がカマして独走態勢。しかし渡辺は落ち着いていた。「焦って追っても仕方ない。自分のタイミングで行くことだけを考えていた」と言うように、最終2コーナーから敢然とスパートすると一気に三輪を飲み込んだ。
 2日目の予選2。巧みな位置取りで先行した門脇真由美の後位をすんなりキープ。後は抜くだけ。「調子はいいですね」と連勝での勝ち上がりにゆかりスマイルを振りまいた。そう言えば前検日には「1着、1着で勝ち上がって中村さんと戦う」と口にしていた。それが現実となった決勝。大方の予想を裏切り(?)中村が先行。渡辺は2番手をキープしたまでは良かったが、外には門脇が張り付いてそのまま直線へ。捲ってきた増茂るること中村と間を割るかに思えたがそこはガールズケイリン。結局、脚を使わず4着に敗れてしまった。
 平塚初Vはおあずけになったが、それでも一回り大きくなった体を見れば、今後はVを量産するんじゃないかと思わせた。「実は競輪学校を卒業してから12㎏体重が増えたんです。練習はしっかりやっています。でも食事の量が増えて」。決して太った印象はなくアスリートとしてたくましくなったというべきであろう。「一踏みするごとに力が伝わる気がする」。ほかの選手に比べ一回り小さい愛車が悲鳴をあげていた。「もっと体を作ってギアも考えて走る。5月には2期生もデビューするし負けられません」と鋭い視線を投げかけ平塚を後にした。


平塚競輪場より