インタビュー

勝瀬卓也 神奈川 84期 S級1班
まずはGIの準決勝に勝ち上がることが一つの目標
 先行型から「後ろは勝瀬さんなんですね。分かりました。積極的に」。こんな声が良く聞かれる。勝瀬が付いてくれれば安心して逃げる事ができるということ。捲ってくる選手がいれば、番手の仕事をキッチリこなす。そして最後の最後まで先行型をかばう。取手で今年の初Vを決めた勝瀬。外国人レーサーの中でも評判の高いサイモン・バンベルトーヘンが人気を集めた決勝。松坂洋平が最終ホームから勝瀬を連れて先行。森田康嗣の捲りを勝瀬が牽制して、寸前で追い込み優勝。2着も松坂。さすが勝瀬といったレース内容だった

勝瀬卓也 神奈川・84期
 小林寛道・東大名誉教授が提唱した「認知動作トレーニング」を実践したことから約3年前、自らがオーナーとなって神奈川県川崎市内に「十坪ジム川崎」を開設した。「大腰筋って言うんですが、インナーマッスルを鍛えることによって脳を活性化させる。そうですね、100mを速く走るにはどうしたらいいかみたいな。カールルイスの動きと同じマシンもあるんです」。その結果、成績は安定するようになり見るからに体も大きくなっていった。
 体ができて次にしたのはセッティング。「昨年末の京王閣で優勝した時のクランクの長さは170ミリだったんです。でも今年2月の高松記念から175ミリにした」。一般的にクランクの長さは160から167.5。長くするメリットは「踏み出しが軽くなってダッシュが楽になる。その反面、前を抜くのが苦しくなる。どちらを選ぶかなんです」。そう言いながらも直線での差し脚に磨きがかかったことも事実だ。そしてもう一つはギア。「共同通信社杯は4.42を使ったけど合わなかった。4.23か4.25を使い続けていこうと思っています」。これもすでに体が大ギアに対応できるまで出来上がっているからだ。
 FIでは絶えず優勝候補に名を連ねるが、やはりプロとして最高峰のGIで結果を残したいところ。「まずはGIの準決勝に勝ち上がることが一つの目標。高松宮記念杯で何とかクリアしたい。上位陣とのスピードの差は感じてないですから」。果たして結果はいかに。ただ、勝瀬ならいとも簡単に準決勝まではいけそうな気がしてならない。


取手競輪場より