インタビュー

横関裕樹 岐阜 99期 A級2班
競走得点12点アップの原因は3.92のギア効果
 わずか「0.06」と侮るなかれ。その小さな0.06の数字が16%アップの大きなエネルギーの源だったから。何のこと? 種を明かすと、3.86のギアから3.92に上げたのを境に岐阜の新鋭、横関裕樹の成績が一変しだした。12年後期に「74.86」だった競走得点が今春からグングンと上昇。1期後の13年前期には「86.74」まで競走得点は一気に12点以上も大幅アップしたのだ。
「好調の原因? ハッキリ言ってギアですね。フレームやセッティングは特にいじってないし、練習方法も変わってません。でも3月高知(7着1着1着)の2日目から、3.92のギアを使い出して勝ち星が急に増えたんです。フレームとマッチしたのか感触がすごくいい。先行態勢に入ってからが楽だし、最後の踏み直しも違ってきました」。横関はギア効果を如実に実感し、成績急上昇の原因と断言する。

横関裕樹 岐阜・99期
 結果も明らかに違っている。チャレンジ戦でも通算優勝回数2回に止まっていた新鋭が、5月前橋の逃げ切り劇でA級1・2班戦の初優勝を成し遂げると、6月大垣では3連勝のおまけつきで早くもV2達成。7月2日現在、初日予選での連勝は7まで伸び、走るたびにファンからの信頼度も高くなっている。
「最近のレース前は精神的にきつくなりましたね。以前は車番がヨーロッパも多くて、挑戦者の立場でレースに臨めたけど、今はお客様からの期待も高いので負けられない意識が出てきました。でもこれがファンの車券で成り立つ競輪選手なんですよね。まだまだですけど、上の世界(S級)もちょっと見えてきました」と横関は心の変化に、成長も感じている。
 しかし前期最終戦の6月松阪(1着4着7着)は予選こそ鋭いホームカマシで完勝したが、2日目からは連続して捲り不発に終わった。「準決勝では初対戦だった宮本忠典(山口55期)さんのうまさとパワーにやられて、捲りが届かなかった。もちろんタラレバのシーンもあったけど、少しメッキがはがれてしまったかな(笑)。7月からも点数を上げて、S級を目指して頑張っていきたい」と横関は後半戦に意気込んでいる。
 中部地区の名門・岐南工出身だが、たまたま直前の席だったクラスメートの山田純也(岐阜99期)に誘われ、自転車部に入った縁で競輪選手にもなった横関。デビュー3年目に突入した今、大きな転機を迎えている。


松阪競輪場より