インタビュー

藤原誠 岐阜 69期 S級2班
史上最強の支部長の後任、やりがいと充実
 選手、支部長、師匠と、3つの顔を持つ藤原。このうち支部長は昨年末に突然、受け持つことになってしまったが、約半年が過ぎてやっと馴染んできたと言う。「世間で言えば、中間管理職の年齢。この年まで競輪選手をやらせてもらっているのだから、恩返しのつもりで頑張らせてもらっています」。

藤原誠 岐阜・69期
 前任者は説明するまでもなく、前S級S班で昨年末に現役を引退した山口幸二さん。「史上最強の支部長」の後任である。「すごい人の後で重責」というのが本音だ。だが、そこはあえて自分のやり方で取り組んでいる。「元々、僕は俺に付いてこいというタイプではないからね。でも責任感はしっかり持ったうえで、自分の考えでやっています。今までなら何かするには要望しなければならなかったけど、直接、自分が判断して行動に移せるところはやりがいを感じますね」。
 エネルギーを注いでいるのはファンとの交流イベントや、就任してから始めたブログ(FMマコト ケイリン・ステーション)。お隣の一宮競輪が廃止されるだけに、緊張感を持って取り組んでいる。「ブログのネタ探しは難しいですね。でもできる限り更新したいと思って書いています。やはり、自分の競輪場だっていつどうなるか分かりません。集客につながるか分からないけど、自分たちで盛り上げようと頑張っています」。
 もちろん、選手としてもまだまだトップステージで活躍する意気込みだ。デビュー22年目で通算199勝(7月18日現在)。昨年は地元・岐阜記念で決勝に進出するなど存在感を示した。「今春、ギックリ腰と座骨神経痛で練習不足になってしまった。言い訳はできないけど、やはり支部長の仕事が加わったことでリズムが変化したことが影響した。でも今は良くなったし、2月に勝ってから足踏みしたままの200勝を達成しないといけないね」。
 選手に支部長。だが「本当のところ、もっともストレスを感じるのは師匠」と苦笑する。競輪を仕事として選んだ若者たちを、選手として人間としての成長を助ける責任は極めて重い。「今、預かっているのは北村篤、吉田茂生、川口(公太朗、聖二)兄弟に競輪学校在学中の一人。師匠としてたいしたことはしていませんが、気は遣いますよ。やはり大切なご子息を預かっているわけですし、強くなってほしいですから」。
 忙しい毎日。それでも時間の制約は自身に好影響をもたらしている。「最近はダラダラすることがなくなりましたね。練習に集中できるようにもなりました。それに何より、幸二さんがあれだけの成績を残したのだから、僕も言い訳はできない。S級は必ずキープしていくつもりです」。やりがいと充実。岐阜を引っ張る41歳からこちらが元気をもらった感じだ。


一宮競輪場より