インタビュー

小島歩 神奈川 97期 A級1班
成績の上昇とともに精神的にも一回り成長
 嬉しい嬉しい初優勝を地元で決めた。2010年にデビューした小島歩。彼の現状を考えれば初優勝というのは凄いことだ。「そうなんですよ。やっとって感じですね」と満面の笑みで表彰台の真ん中に立った。S級でも勝ち星を量産した選手が多く参加しての開催(8月平塚FII)でのVは価値があるし、自信につながった。

小島歩 神奈川・97期
 この優勝の伏線は初日特選にあった。齋藤一茂-菊池崇訓がカマし、小島は3番手をキープ。しかし、齋藤のスピードが良くなかなか仕掛けることができなかった。最終3コーナーから捲って出たが伸びず、終わって見れば絶好のポジションを活かせず7着。「情けないですね。後ろの柴田(功一郎)さんにも申し訳ない。後2日間は思い切った競走をします」。その言葉通り準決勝は、最終ホームで前に出るとそのまま逃げ切り。追走した柴田も絶賛した内容だった。3着も川越義朗が入り、地元で上位を独占。そして迎えた決勝。打鐘からスピードを上げ、またまた逃げ切り。特選の悔しさが準決勝、決勝のレースにつながった。翌日が24歳のバースデーというおまけまでついた。
 松谷秀幸、東龍之介、郡司浩平ら同世代がS級で活躍。それも刺激になっている。「皆、上で頑張っているのに自分だけがA級でも優勝できなくて」。S級で勝負するために、今年からバンク練習を充実させた。「今の時期は朝5時に家を出て6時半からバンクに入り、三住(博昭)さんにバイク誘導をしてもらっています。それがいい方向に出ていると思います」。もちろんバイク誘導だけで強くなった訳ではない。「気持ちですね。しっかり練習はしていたつもりだったけど、もっと真剣に取り組むようになった」。成績の上昇と共に精神的にも一回り成長した。
 競走得点は94点台。S級にも手が届くところまできた。ライバル達に遅れはとったが長い目でみれば焦ることはない。2、3度と優勝を重ね、それを手土産にS級で真っ向勝負を挑むつもりだ。


平塚競輪場より