インタビュー

竹内雄作 岐阜 99期 S級1班
FIでも常にGIを意識した戦いをしなければいけない
「Gの壁」である。今年はすでにFIでV4。しかし、グレードレースになると周囲の期待ほどの成績は残せていない。その原因についての自己分析は「精神的な余裕のなさ」。分かってはいても、なかなか克服できないのが現状だ。「競走で落ち着きがないからレースが見えていない。見えていれば叩きに来た相手が分かって対応できるのですが…」。

竹内雄作 岐阜 99期
 昨年に続いて出場した2度目のオールスター。本人の言葉通り、余裕のなさを感じさせるレースがあった。それは最終日の選抜4R。打鐘から先行して最終バックでジ・エンド。先行型がそろっていたとはいえ、明らかな“独り相撲”だった。「後で振り返れば、ワンテンポ待ってから踏んでもよかった展開なんです。相手が来たのを見てから合わせる形でもよかった」。
 がむしゃらに駆けて、後から成績が付いてくればよい時期は過ぎた。求められるのは的確な判断によって導かれる結果。トップクラスのマーク型選手から信頼を勝ち取っていかないと、先行型として生き残り、成績を上げていくことは難しい。「力を出し切るレースはできていると思う。でも最低でも最終4コーナーまで持つ先行をしないと意味がない。早々とたれていたら、後ろに付いてくれる選手には迷惑なだけですよね」。
 課題を克服するポイントは「Gレースで慌てなくてもいいように、FIから高い意識を持って戦うこと」。GIを経験できたからこそ、そこに気付いた。「GIは流れが違う。ワンテンポ早くレースが動く。だから、FIでも常にGIを意識した戦いをしなければいけないと思うんです」。
 そんな竹内に地区の仲間も熱心にアドバイスを送る。このオールスターでは決勝に進出した吉田敏洋が相談に乗ってくれた。「Gレースで結果が出ていないので、Gレース前の練習の内容や量など、いろいろなことを教えていただきました。目をかけてもらっているうちに期待に応えたいですね」。
 言葉は悪いが、FIが主戦場のS級選手に留まるか、G戦線で優勝争いができるS級トップ選手になれるかどうか、である。その分岐点に立っているのが今。「Gの壁」を乗り越えるだけの力が竹内にはあるはずだ。


京王閣競輪場より