インタビュー

梶原亜湖 静岡 73期 A級1班
混戦になればなるほど出番は増える
 力はあるのに成績に結びつかない。長らくS級で暴れ回っていた梶原。最近はどうもピリッとしなかったが、「いつ以来の決勝か覚えていない(笑)」。12月の川崎で、やっと決勝に駒を進めることができた。記録を調べてみると、今年はこれが8度目。1月・西武園では優勝も飾っているのだが、6月の立川以来の最終レース。半年以上も悔しい思いをしていたことになる。

梶原亜湖 静岡・73期
 シリーズ自体は小原唯志(茨城)、城幸弘(山梨)、青森伸也(福島)が3強を形成。そんな中、梶原は「調子もいいし、何とかなりそう」と前検日からどこか自信ありげだった。まずは予選。前を任せたのは同県の後輩・増田利明。うまく4番手を回ったものの、行き切れず梶原は最後、インを突いて4着。「高橋(潤)君を押した形になってしまった。真っすぐ踏んでいければ2、1着も」。着以上の手応えを感じたようだ。準決勝は3強の一角を占める青森と対戦。旭啓介-安藤宜明の3番手からの組み立て。旭が内に詰まる展開を切り替えて青森の2着。「余裕はあったけど、青森君が強すぎた。でも久しぶりの決勝は気持ちいいね」とご満悦。決勝戦、これは展開が悪すぎて論外。最終バックが、9番手では為す術なしといった状況。
 決勝に進んだが、冷静に考えれば当たり前のこと。「いやいや、それは買い被りすぎですよ」と謙遜したが、すべては気持ちの持ち方ひとつだった。「以前は疲れたら翌日の練習を休んだりしたが、ここ3カ月かな、どんなに体がきつくても、練習をすると決めた以上は、わずかな時間でも自転車に乗るようになった」。先輩のアドバイスで宿舎でのアルコールも飲まなくなり、いっそう体を考えるようになった。
 今でこそ追い込みのイメージが強いが、まだまだ自力で勝負もできる。「そういうことを書かれるから目標がいなくなるんですよ」と笑い飛ばしたが、混戦になればなるほど出番は増える。優しすぎる性格が出世の邪魔をしているとも取れるが、2014年はシビアに攻める覚悟だ。


川崎競輪場より