インタビュー

今村俊雄 山梨 99期 A級3班
勝つためには何をすべきか、一戦必勝のスタイル

今村俊雄 山梨・99期
 一本スジが通っているとは、今村の事を言うのだろう。99期でまだチャレンジ。しかし、勝負に対する執着心は人一倍だし、自分が勝つために何をすべきか分かっている。だから車券を買う方からすれば、これほど買いやすい選手はいないだろう。チャレンジの優勝候補にも名が挙がっていた2月の平塚シリーズ。前検日からいつものように気合満点。報道陣の質問にもハッキリした口調で答えた。
 予選1レース。人気になって当然の組み合わせ。問題は勝ち方。今村の戦法は動いていい位置を確保することから始まる。しかしこの競走に限っては最初から苦労することなく4番手。バックからあっさり捲った。「まさかあんな展開になるとは。あれじゃ変に動かないほうがいいと思って」。考えようによっては、今村だからこそ相手が何かしてくるんじゃないかと思われたのかもしれない。勝負の準決勝。木村成希(千葉)の先行一車。となればやることは一つ。木村の番手が誰であろうと飛び付くだけ。番手をあっさり奪うと直線で早めに抜け出した。3着は今村にマークした山本光泰(埼玉)。3連単の配当は2310円。やることが分かっていただけにこの配当はファンにとっておいしかったはず。
 無傷で勝ち上がった決勝は直前の静岡決勝の反省を生かせなかった。「静岡はずっと7番手。前の動きを見過ぎてしまった」。それなのに道中は泉慶輔(宮城)の後ろ。それも最後方を回っていた。結果的に仕掛けが、時すでに遅し。4着でシリーズを終えた。ギアも2日間、4.15だったのを4.33に上げて臨んだはずだったのに。レース終了後は悔しそうに唇をかんだ。
 それでも3日間、ファンを楽しませてくれたことは事実。「僕は誰が後ろでも同じ。自分のスタイルは決まっていますから」。一戦必勝のスタイル。メンバー構成上、盛り上がりを欠くこともあるチャレンジだが、今村のような存在は見ていてもワクワクする。


平塚競輪場より