悔しさを忘れずに、もっともっと練習する
地元、ホームバンクで意地を見せた開催だった。それと同時に屈辱も残った。過去、ホームでは優勝がない川崎。それだけに、絶対的な優勝候補不在なここ(2月小田原FI)は前検日から普段以上に気合が入っているように見えた。その気合がいきなり予選で見られた。目標は信頼できる同県の後輩・郡司浩平。郡司が逃げて川崎が差す。誰もがそう思った。しかし、椿佳友が競りを宣言。椿としても位置がないのだから番手勝負を当然。なんとか凌いだ川崎だったが、今度は前の郡司が3番手からなかなか仕掛けない。最終4コーナー、川崎はインを突いて何とか3着。「競りは勝負なんだから仕方ない。でもきつかった」と振り返り、検車場に引き揚げてくるなりグッタリ。
川崎健次 神奈川・88期
準決勝は五十嵐力と同乗。五十嵐の捲りに乗って余裕で追い込んだ。「五十嵐さんのお陰です」と先輩を称えたが、体と自転車が一体化、自然と前へと進んでいた。予選とは打って代わり表情は終始、和やかだった。3着も土屋裕二が入り、南関で上位を独占。決勝は渡邉晴智も含めて南関勢は4人。川崎のVが現実味を帯びてきた。
房州輝也に中部勢が付き、今井裕介に十文字貴信の茨城コンビとの3分戦。抑えた房州の4番手を五十嵐がキープ。5番手にいるはずの川崎だったが、今井に粘られ万事休す。その後も外に浮きっぱなしで終わって見れば最下位でゴール。「情けない。自分自身が本当に情けない」とうつむいた。見せ場も作れず大敗。それもホームの大声援を受けての結果。ファンも落胆したが、責任感が人一倍強いだけにショックは相当あった。「この悔しさは絶対に忘れない。もっともっと練習して次こそホームで優勝したい」。苦しんで笑って泣いた3日間。次に小田原に戻って来る時は、笑って笑って笑いまくる3日間にする覚悟、いや絶対にそうするつもりだ。