インタビュー

脇本雄太 福井 94期 S級1班
タイトル奪取に向けて選んだ道
 「日本選手権」から中4日のハードスケジュール。そんな中、脇本雄太が平塚にやってきた。その「日本選手権」は準決勝で敗退。二次予選の1勝だけに終わっていた。「疲れ? それはあるでしょ。GIの中でもダービーは違いますから。精神的にも肉体的にもきついですから」と言いながらも、どこか自信が垣間見れた。「実は平塚は得意なんですよ。昨年の確か6月も優勝しているし」。なるほど、そういう理由があったわけだ。

脇本雄太 福井・94期
 渡邉一成、新田康仁らと対戦した特選。渡邉一が先行。脇本のポジションは8番手。「焦りはなかった。脚を使っての8番手じゃないから」。最終2コーナーからギアをトップに入れると、前団を一気に飲み込んだ。これがGIの決勝に進み、タイトル目前の男の走り。準決は若手有望株の郡司浩と北津留が相手。脇本マークには中部3人が付いて4人。その意気に感じない訳がない。赤板から誰も前に出させず逃げ切り。「一丸(安貴)さんが4番手を回ってくれた。ラインの大切さが改めて分かった」と完勝にも出てくる言葉はラインの絆ばかり。
 連勝で決勝に駒を進め、完全Vは目前。同地区の水谷好とは割り切って別線になった。最大のライバル・渡邉一にはメンバーのいたずらか、新田がマーク。「新田さんがそこに行くの? 結構きついですよ」と不安もあった。しかし、いざレースになれば普段の姿に戻れるのが強み。打鐘前から前に出ると別線を完封。3連勝で期待に応えた。「今回はラインの有り難さを感じた。そして平塚は何よりファンも多いし僕自身、気合が入るんです」とシリーズを振り返った。直後はナショナルチームの合宿に参加するなど相変わらず多忙な毎日を送っている。いつ休むのかこちらが心配になってしまうほどだが「それも僕の選んだ道ですから。それに今年は勝負の年」と表情が引き締まった。ファンを感動させるだけでなく、今年こそはタイトル奪取。脇本なら実現できそうだ。


平塚競輪場より