インタビュー

蒔田英彦 千葉 93期 A級1班
チャレンジャー精神で戦う7月からのS級戦にむけて

蒔田英彦 千葉93期
 松岡健介、南修二、松谷秀幸、吉澤純平らそうそうたるメンバーが顔を揃えた平塚競輪場のFI開催。しかしA級戦でも白熱したレースが展開された。中でも注目を集めていたのが蒔田英彦(千葉・93期)だ。先行、まくりを武器にS級でも活躍し、穴党には絶大な支持を受けていた。だが、今開催は紛れもなく優勝候補の筆頭だった。今年に入り決勝進出を逃したのが1度だけ。2月小田原、3月松戸では優勝を飾っている。気っ風のいい競走が見れると期待していた。
 特選は3着スタート。レースを終え戻ってくるなり「ここ2場所は特選で9着だったからまずまず」と連には絡めなかったものの、感触は掴んだようだった。不安材料であった初日を3着で終え、気持ちも盛り上がって臨んだ準決勝。すんなり主導権を奪い、そのまま悪くても2着の態勢。しかし、競輪、勝負事は下駄を履くまで分からないもの。寸前で失速しまさかの4着。うなだれて検車に戻ってきた。「いい感じで仕掛けられたし、2センターでも踏み直せた。ただ、妙な緊張感があった。菅谷(隆司)君が初日にいいレースをしていたので、気にしすぎたかもしれない」とうなだれた。失うモノはない菅谷に対し、受けて立つ厳しさを肌で感じた一戦だった。最終日も5着に終わり「最近ではないほど結果が悪かった」と語り、シリーズを終えた。
 そんな蒔田だが7月からはS級に復帰する。昨年9月から始めたウエートトレーニングの成果も徐々に出始めている。「茨城の大井浩平さんと一緒に街道練習を行くようになったんです。たまたま開催が同じで色々と話して、じゃあ今度一緒にやろうかみたいな」。大井からのアドバイスで始めたウエートトレーニング。周囲からは上半身が逞しくなったと言われている。上半身を強化できたことで、ハンドルを引くとき、一段と力が伝わるようになった。S級での走りに期待が高まる。「A級だと点数が高い分、警戒される。それがS級だとチャレンジャーだから気楽に走れる。だから、S級の方が僕には合っている」。決して恵まれた体格とは言えないが、それを補うダッシュはトップクラスからも一目置かれている。まだA級戦が残っているが、早くパワーアップした蒔田をS級で見たい。


平塚競輪場より