インタビュー

谷口遼平 三重 103期 A級2班
S級での活躍が期待される三重の超新星
 あっさりと3番手からまくった。5月14日の名古屋A級決勝。ダッシュ力の違いを見せつけて今期4度目の優勝を完全Vで飾った。「気持ちで負けてしまった。先輩が付いてくれたのだから本当は先行しないといけない。もっと内容のいいレースをしたかった」。口から出てくるのは反省の言葉ばかり。前々に踏んだから3番手を確保できたともいえるのだが、納得ができる走りとは程遠かった。

谷口遼平 三重・103期
 しかし、このレースで谷口の底知れない能力を体感して興奮気味だったのが連係した太田雅之(86期)。改めて太鼓判を押した。「出脚のいい選手はトップ選手にもたくさんいる。でも彼の場合は出脚の次の脚がすごい。尻を降ろした後、そこから伸びていくんです。レースの組み立てはまだめちゃくちゃだけど、末恐ろしい選手ですよ」。
 S級での活躍が期待される三重の超新星。昨年7月のデビュー後は5場所でチャレンジを卒業。昇班後は少しレースの違いに戸惑って準決で敗退することもあったが、落ち着いて走れるようになると、近況は1着、もしくは負けても3着までになった。いまや、相手に関係なく本命を背負う選手でもある。
 それでも本人におごりはない。今は脚を作る時期。逃げることが何よりも大切だと考えているから、バック本数も20本を超えた。「地脚型ではないので、長い距離を先行する自信が本当はありません。でもS級で戦うには、A級ではマークされても逃げ切れる選手になっておかないと通用しませんからね。9連勝?意識はしていません。今、勝つ競走をしても上では勝てませんから。それに今期はS級の点数が取れそうだから慌てる必要もありませんよ」。
 四日市の練習環境は抜群。浅井康太、柴崎兄弟の存在は自分の力を確認するうえで、最高の'物差し'。同期の野原雅也の活躍も将来の目標にはなっている。「浅井さんらは練習からA級の選手とは動き、判断など全てが違う。きっとレースではもっと違うでしょう。一つ一つ追いつかないといけない。同期の野原君には2,3年後に勝てればいいですよ」。本当の勝負はまだまだ先。近い将来のS級での活躍を楽しみに待ちたい。


名古屋競輪場より