インタビュー

吉田茂生(岐阜 98期 S級2班)
乗り越えるべき壁の高さと厚さを知った若武者
 「恥ずかしいレースばかりでしたね」。GI初舞台となった寬仁親王牌はあまりにも苦くて辛いものとなった。初日の一次予選は鐘過ぎで三谷竜生に叩かれるとそのまま後退。最終の2センターではバランスを崩して落車の憂き目。2日目1Rはまくり不発の7着で終わると、積極策に出た3日目は最終ホームも取れずに終わった。トップクラスではパワーもスピードも不足しているのが現状だろう。本人も「(評論家の山口)幸二さんに名前を売る走りをしてこい、と説教していただいたのですが…」と、最終日はホームを取れたものの、存在をアピールする戦いはできなかった。

吉田茂生(岐阜 98期)
 トップ選手がピークに仕上げてくるGIでは明らかに力不足。それでもFIより一つ上のステージの予選なら十分に戦えるところまで成長した。6月の久留米記念一次予選は鐘過ぎ先行で逃げ切り。ラインワンツースリーでもあった。以前はFIでも完敗シーンが多かったが、着実に1着ゴールを増やしている。成績上昇の要因はS級の戦いに慣れたのと同時に「セッティングに当たりが出たことでしっかりと練習を積めるようになったこと。S級の選手はスタンディングせずに駆けていることが分かって真似てみたのも良かった」と分析してみせた。
 
 そして上昇の要因はもう一つ。昨年8月に結婚したことによるプライベートの充実が大きい。A級時代から付き合っていた妻は、落車負傷による低迷期を知っているから最高の支えになってくれている。「元々は競輪をまったく知らなかった女性。86点まで競走得点を落とした時もそばにいてくれた。今は完全に理解してくれているし、サポートをしてくれる。だからこそ、早く強くならないといけない」。
 大敗だけで終わった親王牌。この屈辱を無駄にしてはいけない。「一番の収穫は、トップ選手がどんな時にどう動くかについて分かったこと。竹内(雄作)さんがこんなにも高いレベルで走っていることも改めてすごいと思った。GIの雰囲気を直接感じたことでまた走りたいと思ったし、今後のいい目標ができました」。乗り越えるべき壁の高さと厚さを知った若武者の今後が楽しみだ。


弥彦競輪場より