インタビュー


堀 兼壽(岐阜 105期 A級3班)
期待感増大中 フレッシュレーサー
 一足早くデビューしたガールズ3期生では、いまだ無敗で突っ走る小林優香(8月3日現在)や鋭いダッシュを持つ石井貴子(千葉)が、勝利ラッシュで強烈アピールしている。この7月からは、同時期に卒業した男子105期生たちも待望のプロデビューを果たし、出世争いを各地で演じている。

堀 兼壽(岐阜 105期)
 在校成績ナンバーワンの野口大誠(熊本)ら3人がデビューから2場所完全優勝の6連勝(8月3日現在)でスタートダッシュに成功した。なかでも在校成績21位ながら、岐阜の堀兼壽 が、中身の濃いレース内容と走りで、勝ち星を6つ並べ、中部ファンに大きくアピールしている。
 とにかく、レースぶりがいい。爽快感たっぷりな積極的な先行で魅せ、ゴール前の踏み直しもしっかり。可能性とセンスを存分に感じさせる。デビュー戦の富山(7月7~9日)がそうだった。そして2戦目の大垣(7月24~26日)も同じ。常に打鐘あたりから仕掛けて主導権を握り続け、最終ホームと最終バックを先頭で駆け抜ける。そしてラインの援軍のマーク選手ときっちりワンツーフィニッシュ。車券の人気にもしっかり応えて見せる。
 「学校時代もそうでしたけど、師匠(永井清史)はあれこれ言うタイプの人ではありません。でもデビューしてから1つだけ言われてることがあります。『競輪はライン競走。ラインで決まるような組み立ての走りをしろ』とアドバイスをもらいました」。堀はキラキラした目で「教科書通り」の初々しい走りを貫く意図を的確に言葉にする。
 堀と連係した選手は目を細めながらエールを送った。「とにかく落ち着いてますね。コーナーの上りじゃなく、決まって後ろがついていきやすい場所で仕掛ける。抜けそうかなって思ってマークしてても、最後の粘りもしっかりしている。新人の走りではないね」。中部の某追い込み選手は堀のチャレンジ戦のノンストップ突破にお墨付きを与える。
 もちろん、組み立てや駆け引きよりも、スピードと勢いで勝ち切れるのがチャレンジ戦。堀の実力のほどは、まだ海のものとも山のものともつかめない。しかし、ハッキリ言えることがある。助言を素直に聞き入れ、忠実に行動に移せるセンスが早くも備わっている。トップレーサーまで一気に上り詰めた快速永井清史唯一の弟子という魅力も期待感を増大させる。競輪選手として大成する可能性を秘めるフレッシュレーサーのひとりである。


大垣競輪場より