インタビュー

奈良岡彩子 青森・104期
自分らしさで頂点へ
 『全身全霊』―ガールズケイリンのトップを目指す戦いに、日々もがいている。まだ残暑の余韻が残る10月初旬の和歌山ガールズの決勝。人気は今年のガールズをリードしてきた梶田舞、加瀬加奈子の一騎打ちムード。そこに昨年の女王・中村由香里が底力でどう絡むかが焦点のレースだった。この3強の一角を崩せるか。今年4月豊橋で初優勝。9月函館で2度目の優勝も飾り力を付けてきた。いずれも加瀬を後位から差し切って自信をつけた。

奈良岡彩子 青森・104期
 「2年目の今年。自力主体で予選を突破して、決勝は自分で展開を動かしていかに勝ち抜くかをテーマにしてきました。だから和歌山の3レースに関しては結果は付いてこなかったけど内容には満足してます」と3、2、4着と勝ち切れなかった和歌山3戦を振り返った。その決勝戦は6番手から打鐘で奈良岡が先に動いた。前方の加瀬がすかさず反応して主導権を奪いに出る。その加瀬後位を狙ったが、踏み出しに一瞬離れ、後位は梶田に奪われ後退。ゴール前の加瀬、梶田の壮絶なデッドヒートには加われなかった。
 「まだ加瀬さんや梶田さんとは力の差を感じますね。それでも自分がやれることはすべてやって少しずつは縮めていきたい」
 デビュー前は、強豪ルネサスエレクトロニクス高崎に所属するソフトボールの選手だった。しかしレギュラーに定着できず、チームスポーツの難しさもあって3年で辞めることを決意した。世話になったトレーナーに引退の報告にいったら、2012年に創設されるガールズケイリンを勧められ受験。入学が決まった。とある事情で卒業できず2回生に入り直し2年越しの2013年デビューとなった。1回生を離れる時に「絶対に戻ってこいよ」と励まされたのが加瀬だった。
 9月の仁川アジア大会で金メダルをもたらした元チームメートの上野由岐子の圧倒的快投に素直に感動した。同じ高崎のチームで世話になった先輩・西舘果里がボートレースという違うプロスポーツの世界でデビュー奮闘しているのも刺激になっている。
 「とにかく目立ちたがり屋なんです。先行でも追い込みでもまくりでも何でもやって自分にしかできないレースをやって目立ちたい」
 ソフトボールでは達成できなかった自分らしさを全面に出す競走での挑戦は始まったばかりだ。


和歌山競輪場より