インタビュー

清水 裕友 山口 105期 A級2班
将来性十分の20歳だ。
今年7月にデビューした105期生。在校4位の好成績通り、10月25日の熊本でチャレンジ9連勝を達成し、8場所で通過してみせた。同期の中では9番目のA級2班昇班である。「デビュー戦の武雄で完全優勝できましたが、2場所目の玉野の決勝が2着で5連勝止まり。あれで僕は特別昇班ができないのか、と感じていた。焦りはなかったけど、ルーキーチャンピオンレース出場を考えたら、10月で昇班できてよかった」

清水 裕友 山口 105期
もちろん今は先行一本である。ただ、脚質ははっきりと定まっていない。そのため「君は地脚? ダッシュ?」の質問にはいつも困惑している。「僕には地脚はありません。だからといってダッシュがあるわけでもない。何と言っていいのか分からないのが本音です。特徴がないところが特徴と言うべきでしょうか」
そんな清水だが、競輪選手を志したのは小学生の時と早い。親族に競輪選手がいたわけではなく、父親が競輪ファンでもないのに将来の職業は早々と決めていた。「僕が高校2年になるタイミングで山口国体が開催されることが決まっていた。小学生の時に国体の自転車選手になるための育成教室に入ったことが、そのまま競輪選手になるきっかけになりました」。まだ20歳になったばかりでありながら自転車歴は長い。
インターハイ優勝(ケイリン)など、ここまでは順調な歩みである。ただ、期待が大きいからこそ、練習仲間はこれまでの走りに満足はしておらず、言葉は少しだけ厳しくなる。「内容のある1着はまだないね。S級特進なら認められるところはあるけど、特別昇班ってどうなのかな。でも強くなってほしいし、なれると思っているよ」と話したのは桑原大志(S級1班)。山下一輝(S級2班)は「スピードがあってパンチもある。練習では強い。でもその強さが実戦で出し切れてない感じがする」と分析してみせた。
果たして、どのように成長し、強くなっていくのか。「先輩方のアドバイス通り、まだ納得のレースができていないし、練習での感じの良さを出せていない。A級戦では失うものはないのだから、早くレースに慣れて先行で勝てるようになりたい」。注目していきたいホープである。


名古屋競輪場より