インタビュー

井上 将志 福岡 98期 A級1班
マーシーと言えば「俺」だ!
現在、「井上将志」という同姓同名の競輪選手が3人存在する。A1班、大阪の井上将志とS2班、兵庫の井上将志。そして、久留米の井上将志だ。「誰が本家で誰が偽者というわけじゃないけど、競輪界で井上将志、マーシーといえば自分だ、と言われるようになりたいですね」と、笑顔で答えてくれた。「でも、現状じゃ、兵庫の井上将志君がメジャーだよね。なんと言っても現在S級だからね。早く、成績で兵庫の井上将志君を抜けるようにしたいですね」と、奮起を誓っていた。

井上将志 福岡 98期
一時は競走得点を94点台まで上げてS級昇格が目前に迫っていたが、昨年11月の高知準決で落車。鎖骨、肋骨、肩甲骨骨折の大怪我で約4ヶ月も戦線離脱を余儀なくされた。「今までも調子が上がってきたら落車ということはあったけど、高知の落車はひどかったですね。入院自体が約3ヶ月。その後、自転車に乗ったがペダルを満足に回すこともできなかった。それでもなんとか練習して今年3月、地元の久留米から実戦に復帰したけど、イメージ通りに自転車が進まず悔しい思いばっかりでした。体は戻っているのですが、落車に対する恐怖心がなかなか抜けなかった。頭じゃわかっていても、体が異常に反応してしまうんですよ。内をすくわれると、怖くて踏み止めたりもしていましたからね」と、苦しかった時期を振り返る。前期は79点まで点数を落とし、振り向けばチャレンジ(A3班)というところまで低迷した。
それでも、3月和歌山最終日にまくって1着を取るなど「負け戦では、ぼちぼち勝てるようになったのがうれしくて、今は選手になって一番練習していますよ。あとは練習の成果を実戦で出すだけ。10月の福井は予選、勝ち上がりで1着が取れた。これは自信になりましたね。落車、腰痛などで苦しんでいる選手は多い。辛いのは自分だけじゃない。そう言い聞かせて頑張っています。1日でも早くS級点が取れるように」と井上。
11月の地元久留米戦は、初戦に泉谷元樹(愛知、101期)と対戦。鐘過ぎ4角巻き返しに遭い9着敗退となったが、鐘前から果敢にハナを切りに行くなど、レース内容にはキラリと光るものがあった。井上の現在の競走得点は83点。当然、人気薄。さらにアテ馬扱いを受ける可能性が高い。しかし、実力はそれ以上の井上が本命選手にひと泡吹かすのは時間の問題。まずは〝穴男・マーシー〟として、その存在を十分にアピールしてもらいたい。


久留米競輪場より