津村洸次郎 福岡 101期
1、2班に昇級後初戦こそ3-8-1だったが、続く奈良2-2-(9)、久留米4-2-(4)と優出。初Vも目前に…と思われたが、その後は大ブレーキ。準決が壁になって勝ちきれない日々を送った。転機は今年1月。師匠の藤田剣次(85期)のアドバイスでクランクを長くした。効果はテキメンで、岸和田2-2-(5)を皮切りに続く松阪で1-1-(3)→久留米1-1-(7)→一宮1-1-(3)と1着量産体勢に入り、2月前橋のミッドナイト開催で待望の1、2班初優勝をもぎとった。これをきっかけに優勝10回(2014年12月15日現在)と荒稼ぎ。勢い勇んで初のS級戦にチャレンジする。「そんなに稼いでいませんよ。S級特進にも2回も失敗しているくらいですから。こんな顔していますが、実はノミの心臓。緊張に弱いというか、すぐお腹に来るタイプなのですよ(笑)。優勝10回といっても、結構取りこぼしが多いし、スピード、持久力もまだまだと思っています。S級では、まず自分の競走、自力勝負をしてどこまで通用するか見極めたいですね」と、大きな目標と裏腹に一戦一戦は謙虚な姿勢は崩さない。
近況は大敗するケースも目立ってきたが、これは「来期のS級を見据えてのこと。緊張感を持って走れる実戦でパワーアップを図りたいと思っていますから。別線に『えっ、こんなに早く仕掛けて大丈夫なの?』と思われるようなところから駆けるようにしています。それで持たなければS級では通用しないと思うし。結果が伴えばよし。ダメならもっと、もっと練習するという感じで」と、スケールの大きな競走を意識的にしてきたという。その成果をS級戦で発揮できるか注目したい。
164センチと決して恵まれた体格とは言えないが、野生的な顔同様に荒々しいレースを披露する津村。「あっ、写真を使うなら、昔のパンチパーマの時のものは禁止ですからね。お願いしますよ」と、愛嬌もたっぷり。誰からも愛されるキャラクターで、九州を代表する大型先行に成長してくれそうだ。「1日も早く、それも、できれば大きな舞台で師匠の藤田さんをはじめ、久留米の先輩方の前で先行したいですね」。強引先行に迷いはない。