インタビュー

片折勇輝 埼玉 95期 A級2班
上昇気流へ!

片折勇輝 埼玉 95期 A級2班
 やっと本格化してきた。言い過ぎかもしれないが、これからどんどん伸びていきそうな予感がある。今年から初めてA級1・2班戦に臨んでいる片折。競走得点こそ80点を下回っているが、レース内容は競走得点を上回っていると言ってもいいだろう。直前の前橋では2日目の一般戦で初勝利を挙げるなど、徐々に上のレベルでのペースにも慣れた感じだ。準決、決勝へ向けた初日は9R。地元の内田玄が後ろ。茨城勢もラインに加わり4車。相手は近況いい静岡の飯田憲。打鐘を合図に上昇するとスピードを上げ主導権を奪取。「先行するにしても自分が勝ち上がれるような競走をしたい」と語っていた通り、波を作りながら別線をけん制。結果的に6番手から飯田にはまくられたが、意欲的だった。「もっと粘れるようじゃないとダメですね」。勝ち上がりに失敗した悔しさを胸に臨んだ2日目一般。初日同様に打鐘から仕掛けると後位は鈴木淳と難波政の大競り。展開にも恵まれたが見事に逃げ切った。「展開が味方してくれたから、自分の思うペースで先行できました」とやっと笑顔が見られた。最終日はインに詰まり、外に持ち出した時はすでに遅し。本来なら最終日も逃げて欲しかったのだが。
 今年からのギア規制にまだ戸惑っている。昨年までは4.25で戦っていたのが現在は3. 92。「恥ずかしながら準備不足だったかもしれません。最初の内は踏んでも踏んでもスカスカで。今回、一緒に参加している高瀬卓さんからセッティングのアドバイスを受けました。そしてクランクの長さを172.5ミリから165ミリに短くしたんです。本当はもっと短くてもいいんですが」。試行錯誤を繰り返しながら、反省しながら少しずつ成長している。
 あどけなさが残る片折だが、今年の4月には31歳になる。「A級はチャレンジャーのつもりで挑みます。先行にこだわるのもいいけれど、もっと点数を上げてから先行にこだわるって考えもあります。これは父でもあり師匠(雷太・引退)の言葉でもあるんです。柔軟に対応していきたい」と意気込む。約1年前からパワーマックスでのトレーニングを導入するなど、向上心は旺盛。「こつこつです。結果が悪くても腐らず前を向いていきたい」。まずは予選を突破。それができれば一気に上昇気流に乗れる力はもっているはずだ。


立川競輪場より