インタビュー

森川大輔 岐阜 92期 S級2班
〝三重県グランドスラム〟
 これは本物だ。本人もびっくりのS級初Vから2週間。6月5日の松阪に続き、19日の四日市でも優勝。FI連覇は〝三重県グランドスラム〟にもなった。松阪は「展開が良かったから。たまたまです」のコメント通り、激しい流れとなった4分戦の前団をまくったものだが、四日市はレースをしっかりと組み立てての4番手まくり。フロックではない。
「最終日の特選を勝てるようになったことが自信にはなっていたけど、まさかこんなにも早く優勝できるとは。自分が一番驚いていますよ」

森川大輔 岐阜 92期
 S級とA級を行ったり来たり。典型的なエスカレーター選手になっていた。抜群のダッシュ力を持つスプリンターとして早くから期待された逸材だが、何かきっかけが欲しい状態が続いていた。
「ギア規制は僕にとってプラスでしたね。規制前の4.00はしっかり踏めるようになったし、苦にはならなくなっていたけど、無理してギアをかけていたのは事実。今、使っている3.92はぴったりなんです」
 力強い後押しとなったギア規制。しかし、これだけが上昇の要因ではない。昨年は夏場に4場所連続優勝するなど、A級で勝ちまくり。貪欲に勝ちにいく競走スタイルは、以前とは明らかに変わった。
「このままでは駄目だと自分で感じるようになっていた。S級に早く戻りたかったし、勝つことが練習の充実をもたらした。レース自体も面白くなりましたね。A級で勝ち癖を付けられたことがギア規制以上に大きいですよ」
 もう後退することはないだろう。「S級優勝は今年中にできればいいかな」と考えていた目標を前倒しで達成したからには、次への期待が高まる。
「記念の決勝に乗りたい。今年の寬仁親王牌には行けなかったけど、今の感じなら出てみたかった」
 開花した才能に、上昇意欲。地元の岐阜県2場の記念開催は秋。その頃にはさらに強くなって、主力の一人として戦うことになりそうだ。


四日市競輪場より