インタビュー

森川剛 神奈川 89期 A級1班
9連勝でS級特進決めても驚かない
 7月は期の入れ替え。S級に昇格する選手もいれば逆にA級に陥落する選手もいる。特にA級では、時としてどうしてA級を走っているのだろうと思う選手もいる。今回の小田原に参加した森川もその一人だろう。森川と言えば底力はあるのだが、安定感に欠ける、そんな印象を持つファンは多いだろう。しかしながらどうしても気になってしまう、車券を買いたくなってしまうのも事実だ。

森川剛 神奈川 89期
 「まさか予選からだとは思っていませんでした」が前検日の第一声。競走得点順でいくと森川は10番目。この開催はレベルが高いというか、森川も含めて降級組がいたために予選回りになった。「緊張しますね。取りこぼせないですし」。その予選は静岡の荒川大を目標に得た。基本的に森川は自力だが、追い込みもこなせる器用なタイプでもある。最終ホーム荒川が6番手から仕掛ける。楽に付いていきゴール前で荒川を交わした。「荒川君のお陰です」と白星に安堵の表情を浮かべた。続く準決はまたもや自力ではなく同県の小島歩を目標に得た。レースは小島がいったんは前に出たが内に包まれる最悪な展開。だが森川は冷静だった。外に持ち出すと最終バックから自力発進。「小島君には悪かったけど、あの展開では共倒れになってしまう」。人がいい森川、過去にその優しさがマイナスに働いたこともあったが、ここはシビアに勝負に徹した。結果は3着だったが、森川の走りに歓声が上がった。決勝は当然。予選スタートながら優勝候補であることは紛れもない事実だ。決勝は色々な選択肢があった中「自力」を選択した。2日間、人の後ろを回る競走(準決は最終的に自力だったが)だっただけに、自分で組み立てる競走に飢えていたのかもしれない。決勝、森川はイン粘りに出た。競り負け後退し惨敗を喫してしまったが、何もしないで終わらず、戦う姿勢は見せた。
 今春、痛風に見舞われた。ジュース類が大好きな森川だが「あの痛さは半端じゃない」と4月からジュース類は口にしなくなった。コーヒーも絶対に無糖。甘い誘惑を断ち切った。痛風もだが糖分を控えた結果「110kgくらいあった体重が8kgくらい減って体が軽くなりました」。確かに小田原参加時はスリムになっていた。食生活ではもう一つ。「開催中は炭水化物を摂らないようにしています。普段は白米をたくさん食べていたけど、開催中は食べない」。ちょっとしたことに気づき、実行しただけで体にキレが出てきた。残念ながら小田原は優勝という結果を残せなかった。能力はS級1班でもあり、その爆発力は誰もが唸るところ。体質改善に目覚め、いっそうプロ意識が増した森川なら9連勝でS級特進を決めても驚かない。


小田原競輪場より