インタビュー

梅澤謙芝 三重 57期
忘れた頃の一発に警戒
 メンバー、展開不問で狙いたいのが梅澤の魅力。単騎でも自分の競走を貫く姿勢にはダンディズムが漂う。そろそろ、一発があってもいい頃だ。「今までは、待って、待って、展開が向いたら一発という感じの競走だったけどね。なんかレースが終わってからモヤモヤするんだよ。最近は特に。待って、待って、待って、結局何も出来ずで終わってしまう時が、あまりにも多すぎるからね。悔しいよね。なんのために練習しているのかって感じで。だから、最近は待たずに、行こうと思ったところから仕掛けようと意識改革をした」という。確かに、S級時代は好機カマシ、まくりで大波乱を起こしてくれた。あの時の梅澤選手が戻ってくる。そんな期待を抱かせる。大ギアがブームだった頃は出番が少なかったが、ギア規制は梅澤にとって追い風になるはずだ。

梅澤謙芝 三重 57期
「6月の富山最終日は先行して2着に粘り込めた。これは自信になったね」。3連単で2万1820円の配当を提供した。続く別府初日は、逃げる岡嶋登(大阪99期)を8番手2角まくり。自身は3着ながら、マークした渡会啓介(愛知83期)の1着取りに貢献し3連単で1万9610円の配当を演出した。梅澤が1着でビッグな配当の立役者になるまでもう少しだ。
 と、思っていたが…。7月和歌山で⑦⑧⑥の大ブレーキに。「いや~。うまく言えないけど、自分のやりたいことと体がまだ一致していない状況なんです」と苦笑い。「メンバー的に単騎になることが多いけど、やはり、やりにくさはあります。ここはじっくりためていった方がいいのかも、なんて考えてしまうし…。結局、中途半端な競走のまま3日間を終わってしまいました」と反省しきり。だが、梅澤の評価が下がることはない。常に1、2着に絡むと本命人気になってしまうが、この凡走により梅澤がさらに人気薄になるわけだから、穴党にとっては魅力倍増だ。7月末の熊本も「考えていることと、実際に自分ができることは別なもののようです」と、⑥⑧の成績に自信喪失気味だったが、忘れた頃の一発、これが梅澤の真骨頂。5月四日市の初日に11秒4の快速まくりを披露と、81点の競走得点以上の脚力を秘めている。その時は3万3290円の配当をファンにプレゼントしてくれた。それから、約3か月が経った。じっくり脚をためている梅澤が大外一気に駆け抜けるシーンがあってもいい頃だ。


熊本競輪場より