インタビュー

永井 清史 岐阜 88期 S級2班
やっと、戦える状態に戻ってきた。
 そうは言ってもまだまだではあるが、それでも1着は多くなってきたしファンを沸かせることができるようになってきた。2008年北京五輪のケイリン銅メダリスト・永井が、輝きを取り戻しつつある。昨年から今年の夏場までは、目立っていなかった。先行しても末の粘りを欠く、その連続。だが、7月の福井記念を機に目が覚めた。一緒に参加していた吉田敏洋から「力みすぎている。周回中、体が休めていない。練習でタイムが出ているのに、それが本番で出ないのは力が入り過ぎているから」とアドバイスされた。単純なことだがその言葉で救われた。「練習では足を使うように軽いギアでダッシュを繰り返していたんですが、それが実戦になると…」。2015年からギアが期制された。大ギアからの転換、永井も苦しんだ。ギア、そして体に余分な力が入ってしまう。悪循環、まさに悪い方悪い方へと流れがいってしまった。

永井 清史 岐阜 88期
 だが吉田のアドバイスにより、成績は徐々にアップしてきた。平塚に参加する前の佐世保記念。1次予選を2着でクリアする幸先いいスタートを切ったが、2次予選は7着に敗れた。今までならここで緊張の糸が切れてしまうところだが、3日目選抜、4日目特選を連勝して開催を終えた。
 期待を抱かせた「湘南ローズカップ」。予選は楽勝かと思われたが4着。「鈴木雄君の動きを見すぎた」と反省。準決も本来の動きが見られなかった。「こういうところがダメですね。負けたあと、しっかりしなければいけないのに」。完全復活を期すためにトレーニング方法を五輪前に戻した。「あの当時はウエートも週3回くらいやっていたけど、今は週1回程度。貯金というか、土台がなくなっていますね。原点に戻るじゃないけど、基本に戻っています」。この1年はGIに一度も出場できなかった。「いいときの60~70%までは戻っています。GIに出られないのは本当、悔しい」。その悔しさを忘れないためにも、2016年は輝いて見せる。


平塚競輪場より