インタビュー

佐藤和也 青森 95期 S級1班
大ブレークの予感がありありだ!
新年初戦がGIII。佐藤にとってこれ以上ない舞台だ。前検日からやる気オーラは全開。「調子はいいし、普通に走れば」と自信満々。確かに今シリーズだけでなく昨年の秋頃から状態は良かった。昨年末の「グランプリシリーズ」に参戦して中3日。迎えた一次予選は、徹底先行の大竹歩が相手。ドンと構えて最終ホームからの仕掛け。徐々にスピードがアップし、前団をひとのみ。決まり手は捲りになったが、先行でもいいくらいのロングスパート。追走した明田春喜も追走いっぱい。驚いたのは検車場に戻ってきても息が切れていないことだ。「いいタイミングでいけました」とニッコリ。続く二次予選は大竹に加え実績上位の北津留翼、自在な藤田大輔もいてラインは細切れ。案の定逃げたのは大竹。中団に南関勢が入り佐藤は5番手。最終3コーナー手前から踏み出し1着。GIIIの場で連勝を飾った。「記念の準決は久しぶりですね。デキもいいし準決は平原(康多)君と対戦して力を試したい」。強い相手との対戦を望むなんて、よほど状態がいいから。平原と戦いたい気持ちが通じたのか、準決で望み通りぶつかった。原田研太朗が先行。佐藤は4番手のインで平原と並走。平原の踏み出しに合わせ付いていったが、コースがなくなり5着。「悔しいですね。もう少しでした」。以前なら平原クラスと対戦して敗れてもここまで悔しさをあらわにしなかった。悔しいのはそれだけ超一流との差が縮まったからだ。敗れ強し。そんなイメージが残った。

佐藤和也 青森 95期
最終日は特別優秀。レジェンド・神山雄一郎がメンバーが出るなり「和也」とひと言。「神山さんには前に一度付いてもらっています。目標にされるのは光栄だしうれしい」。神山も佐藤の走りを評価しているからすぐにこの言葉が出た。打鐘から上昇し、スピードアップ。同型を封じて主導権を握った。結果は8着も最終4コーナーを回っても垂れなかった。もちろん神山の好ブロックがあってのことだが、ただ引っ張って終わるのではなく、最後まで見せ場を作った。それだけ力がついてきている証拠でもある。全てを出し切って検車場では倒れ込み「ゼエゼエ」。言葉を発するのに5分以上はかかったであろう。全精力をかけた戦い、言葉はなかったが満足した。
遅咲きとでも言うのだろうか。S級上位との対戦でも互角の勝負を演じられるようになったのはここ数年。積み重ねてきた努力の結果だろう。以前は闘志を表に出さなかったが、喜怒哀楽を素直に表現できるようにもなった。相手が強くなればなるほど燃える。今回は準決で敗退したが、次の記念では決勝に勝ち上がれるだけの力は持っている。しばらくFIが続くが、何度決勝に進出し、何度優勝しているのかが楽しみだ。


立川競輪場より