インタビュー

清水裕友 山口 105期 S級2班
夢は大きく
1月の記念シリーズは、昇級直後の若手S級選手にとって、絶好の力試しの舞台だ。105期の清水も、1月30日から開催された高松で記念初参戦。すでに名古屋FIでS級デビューは果たしていたが、9628着と不満が残る結果だっただけに「名古屋は不甲斐なかった。直前はしっかり練習して、体重が3キロくらい落ちました」と、やる気をみなぎらせて臨んだ。

清水裕友 山口 105期
一次予選、3R。打鐘で一旦叩くが、小原唯志(茨城)がすかさず反撃、清水は4番手。最終バック過ぎに仕掛けたが、野田源一(福岡)のまくりを引き出す形になってしまう。結果は3着。「野田さんが見えていなかった。合わせるような余裕はないですね。出切ってからのペース配分に課題が残ります」と反省点を口にしながらも、「勝ち上がれたのは自信になりますね」と、表情は明るかった。二予9Rは特選組の山田久徳(京都)―南修二(大阪)と激突。打鐘から積極的に仕掛けたものの、山田の中団まくりに沈められて9着。「レベルが違った」と完敗を認めたものの、「今後はこういうところで戦っていかないといけない。勉強になります」と、気持ちが折れることはなかった。
山口・誠英高では12年のアジアジュニア自転車競技選手権で金(チームスプリント)、銀(ケイリン)、銅(スプリント)メダルを獲得。鳴り物入りでプロの道へ入った。デビュー後はひたすらに先行して脚力を磨いてきた。「S級でもスタイルは変わりません。ただ今回はバックもしっかり取れていないし、トップスピードが足りないのが分かった。加速力を付けないといけませんね」。今後の課題が分かった以上は、自分の競走に徹するのみ。反省を生かした最終日は、後続のもつれもあったが力強い逃げ切り。S級初勝利を挙げた。
同期では昨年末の「ヤンググランプリ」で野口大誠(熊本)がV。記念競輪でも活躍する渡邉雄太(静岡)や、大器の呼び声が高い畑段嵐士(京都)らもいる。「やっぱり同期の活躍は刺激になりますね。でも、自分もやれるはずだと思っています。焦らず、自分のペースで力を付けていきたい」。無限の可能性を秘めた21歳。未来は、きっと明るい。


高松競輪場より