インタビュー

堀兼壽 岐阜 105期 S級2班
成長途上
 厳しい戦いが続いている。今期から初めてS級に昇級したが、成績は大きな数字が続く。 京都向日町競輪場で開催された国際自転車トラック競技支援競輪(GIII)の初日予選も、前団の争いが激しくなり絶好のまくり展開になったが4着までだった。「前と開けすぎでしたね。A級ならあれでもよかったのですが、勝負どころで動けてないのが敗因です」と唇をかんだ。

堀兼壽 岐阜 105期
 2014年7月デビューの105期生。チャレンジは、その年の10月に3場所連続優勝してデビュー8場所目で卒業してみせた。A級2班昇班後もわずか2場所目で1、2班戦を優勝。その後も完全Vを2度飾るなど、同期でもトップクラスの活躍を見せていた。しかし、当時から心配されていたのがその内容。カマシ、まくりが中心で、抑えて駆けるレースは少なかった。
 「デビュー時から勝つことにこだわって走っていましたから。S級ではそれではやっていけないから、昨年の後半から抑えて先行することを始めたわけです。ただ、S級ではバックで叩かれてしまうのが現実。本当は4コーナーまで持つ競走がしたいのですが…。今までやってきてないのだから仕方がないですね」。自分の弱い部分は分かっている。大敗の中に課題を見付け、着実に次につなげていくことを心掛けている。
 師匠の永井清史からは「びびりながらの先行や、9着になるような先行は駄目。それでは後ろに迷惑をかけるだけ。無理に流れを作るのではなく、流れに乗りながらの先行をしろ」と指導されている。高校の先輩である近藤龍徳には「練習は自転車に乗っている時だけではない。歩いている時から身体を意識しろ」とアドバイスしてもらった。
 見据えているのは5年後。107期生からもS級で活躍する選手が出てきたが、焦らずじっくりと強化していくつもりだ。「僕は才能がない。焦ってウエイトばかりやっても空回りしてうまくいかなかった。小さいことをこつこつやっていくしかない。練習した分だけ強くなるわけではないけど、強い選手の話を聞いたらまだ足りてない。26、27歳でピークに持っていけるように頑張ります」。その成長を追いかけたい選手だ。 


京都向日町競輪場より