インタビュー

竹内雄作 岐阜 99期 S級1班
誰もが認めるタイトル候補生。
 候補生というよりは、今年中に必ず獲るだろう。周囲だけでなく竹内自身も、もちろんそのつもりだ。昨年はGIの決勝に2度立つなど大きく飛躍した。久留米・全日本選抜は「スタールビー賞」に勝ち上がりながら準決は9着大敗を喫して、夢は叶えられなかった。それから約2週間、日本一を目指すためにはもってこいの静岡記念に参戦してきた。

竹内雄作 岐阜 99期
 武田豊樹の欠場で優勝の可能性は高まった。初日特選は山崎芳仁に復調著しい根田空史 、そして阿竹智史らと対戦。打鐘で勢いよく先頭に立ったが、3番手に入った根田が最終ホームから叩き、竹内は3番手。そのまま直線勝負に持ち込み2着。自分のスタイルに持ち込めず景気のいい言葉は出てこなかった。迎えた優秀。ここで竹内は何と単騎。南関勢が4人。自力型はその他、早坂秀悟と村上義弘。早坂には中村淳がつけた。問題は阿竹の出方。阿竹はメンバーが出て「村上さんに行きたい」。竹内ではなく村上の後ろを選択した。レースは郡司浩平が早めに主導権を奪い片寄雄己が番手から出る南関作戦。しかし、そうさせないのが村上だ。最終ホームから仕掛け、南関勢と激しいもがき合いを演じた。竹内にとってはこれ以上ない展開。最終2角からまくり圧勝。しかし、引き揚げてきた竹内に笑顔はなかった。「勝つには勝ったけど、村上さんの走りを僕がしなければいけなかった。単騎ということもあったけど」。ファンを魅了する走り、それができなかったことを反省した。
 その反省を生かす機会が準決で訪れた。相手は売り出し中の地元・渡邉雄太。前で待ちかまえる竹内。渡邉が赤板から上昇してくるが中団。「いつ来るのかと思っていたけど、全然来なかったので逃げた」。渡邉が踏み出した打鐘から突っ張り先行。壮絶な先行争いになり渡邉は落車。2着に敗れたとはいえ、内容は100点満点。大観衆が竹内の走りに惜しみない拍手を送った。格下になめられた。声を大にして言わなかったが、そんな気持ちはあっただろう。タイトルを狙う男としてのプライドをのぞかせた。記念の準決で逃げて結果を残せなければタイトルなんて言葉にできない。優秀の不甲斐なさをすぐに修正してみせた。
 決勝は片寄が逃げて根田の二段駆け。中団に早坂で竹内は7番手からの組み立て。早坂が仕掛ける前にスピードアップ。根田が最終ホームから併せて番手まくりを放つが一歩も引かない。根田後位の神山雄一郎が離れ、番手に入る形になった。すぐに出ていく素振りも見せたが、根田の掛かりが良く直線勝負に。悲しいかな、追い込み選手ではないだけに踏み込む呼吸が合わなかったのだろう、結局伸びを欠き5着で大会を終えた。「結果は残念だったけど力は出し切れたと思う。学ぶことも多かったし。次のダービー(名古屋)は中部開催。そこでしっかりした競走をして結果を残したい」。走るたびに大きくなっている、そんな印象を受けた。これが掲載されるのはダービー真っ最中。タイミング良くダービー王に輝くかもしれない。


静岡競輪場より