インタビュー

藤井準也 岐阜 105期 A級2班
自分の力で切り開く
 S級の畑段嵐士(京都)、神田龍(三重)、清水裕友(山口)にA級トップクラスの水谷将司(愛知)。105期の上位陣がそろって出場していた大垣FI(3月29~31日)。その同期達の自分に向けられた笑顔がうれしかった。野球出身の適性組とはいえ、在校成績36位と最下位だった藤井。それが今ではA級1、2班戦でも上位で活躍できるまでに力を付けたのだから、仲間の誰もが喜んでくれた。「みんな僕が選手をクビになるのでは、と心配してくれていましたから」。堂々と写真の真ん中に収まる姿は、少しだけ誇らしげだった。

水谷将司 藤井準也 神田龍
 競輪学校時代もデビュー後も、苦しい成績が続いた。それでもあきらめることなく続けられたのは名門・県立岐阜商業高校での野球部経験。レギュラーになる目標を達成できなかったことが競輪転向を決意させ、情熱を傾けるためのモチベーションとなっている。「競輪は自分の力だけで切り開くことができる。もし、野球でレギュラーになれていたら、大学に進学して中途半端な形で続けていたでしょうね。でも野球でいろいろな経験をしたから今があると思っています」。
 上昇気流に乗っている近況。2月の別府では準決勝で本郷雄三ともがき合ったうえで完全優勝を果たした。「その後の3開催で決勝に乗れてないのがいけません。でも、優勝したことで少し自信になりました。成績が上がってきたから、今は競輪が楽しいし、やりがいも感じています」。現在は長い距離を踏めるようになるための練習に加え、トップスピードを付けることも課題にしていると言う。まだ伸びしろたっぷりの21歳。さらなる成長と飛躍を期待できる選手である。


大垣競輪場より