インタビュー

田中陽平 熊本 97期 S級2班
"自力"に戻してS級でも奮闘中
 デビュー7年目を迎えた田中陽平は、今期から初のS級戦に挑戦している。「正直、通用せんだろって思っていた」ようだが、ここ3ヶ月間で確定板進出が8回、3連対率は3割近くと健闘中だ。

田中陽平 熊本 97期
 器用さと非凡なレースセンスが持ち味で、早いうちから『自在』選手として地位を確立。人の後ろを回る競走もどんどん増えていった。先輩の番手になった時は「なんとかサポートしないと!」と幾度となく派手に仕事をした。また、自分で動く番組の時には「ガチャガチャやってました(笑)」と、イン粘りなどヨコの動きを多用。『自在屋』から『マーク屋』へと徐々に変貌を遂げていった。「A級がそんな感じだったし(自力の決まり手もほとんどなく)S級でも追い込みとしてやっていくのかな」と漠然と考えていた。
 しかし昇級後は、自力の番組を組まれる事が多く、そして「意外と通用しました」と結果も付いてきた。嬉しい誤算に「自分は自力の方が向いてるのかも(笑)」と自信を持った。「A級の時に、鎖骨を折ったりとか結構ケガをしていたんです。昔はヨコばっかりやっていたけど、タテで通用するなら(ケガする)リスクも少ないし、もう一度自力で頑張ろうかな」と『自力』選手としてまい進することを誓った。「今は"どうにもならない"っていう時以外はタテで勝負しています。基本は中団を取ってのまくりですかね。(先行では)厳しいので、とにかく位置取りにはこだわってます」
 新スタイルで善戦こそしているものの、3月末の時点ではS級初勝利に手が届いていない。「とにかく一つ勝ちたい。惜しいのは多いんですけど(笑)。だいぶS級の流れにも慣れてきましたし、そろそろ決められれば良いですね」
 待望のS級初勝利はもう目前。新スタイルの要となる『自力脚の強化』に成功すれば、結果は自ずと出るはずだ。


熊本競輪場より