インタビュー

中井俊亮 奈良 103期 S級2班
中井弟の野望
 3月小倉でS級初優勝を果たした中井。「これが自信になりました」で、続く小田原①①②、4月高知記念①⑦①①と1着量産態勢に入った。今年1月にS級に昇格したが、すでに11勝。勝率45.8%、2連対率58.3%、3連対率75%(4月24日現在)と抜群の成績を納めている。「S級で11勝もしているんですか。まったく意識していませんでした。意外に多いですね」と本人も照れ笑い。「S級初戦の松山(⑧①①)で2勝しましたが、あの時は逃げることに必死で、たまたま成績が付いてきたという感じでした。でも、最近はレースの流れが少しずつわかってきたみたいで、ちょっとは余裕を持ってレースに臨めるようになりました。A級時代は前受けの競走を強いられたけど、S級では抑えて駆けることができるので、もがける距離が長くなっているのが大きいですね」と、自信も芽生え始めているようだ。実際、3月小倉の準決では打鐘前から突っ張り先行を敢行。1周半をよどみなく逃げて別線を完封したレースを観戦していた山本佳嗣(大阪、71期)が「中井君は一皮剥けたね」と絶賛していた。

中井俊亮 奈良 103期
 そんな中井には大きな野望がある。「村上義弘さんの前で駆けてみたい」。チャンスは4月の高知記念であったが、惜しくも二次予選敗退で、目標を果たすことはできなかった。「準決くらいまで勝ち上がってと思ったのですが、まだまだですね。今の課題は展開のアヤで番手に別線の自力型がはまっても3着まで粘り込めるようになりたい」。さらなる高みを目指してパワーアップに余念がない。「まずは、先輩たちと同じ舞台で走れるようになりたい。稲垣(裕之)さんは引っ張ったことはありますが、まだまだ、引っ張りたい先輩はたくさんいますからね」と中井。「究極的には脇本(雄太)さんと同じレースになって、前を任せてもらえたら本物ですね」と、大きく目を輝かせる。近畿一、いや日本一の先行選手を目指す腹積もりだ。


小倉競輪場より