インタビュー

清水剛志 福井 103期 A級1班
追いつき、追い越せ―。
  最後は打鐘過ぎ先行で押し切った。A級戦も全国あっせんで行われた5月6日から8日までの豊橋FI。清水は準決5着で決勝進出こそ逃したが、最終日特選1着でシリーズを締めくくった。「準決は失敗でした。最終ホームで後ろを確認した時に相手が来てなかったから勝手に油断してしまった。その瞬間に行かれてしまって…」。上がりタイムは11秒6。それだけに「不完全燃焼。いい勉強になりました」と悔やんだ。

清水剛志 103期 福井
 文字通り、メキメキと力を付けてきた。昨年は優勝0回だったものの、今年3月の小倉で準決と決勝を逃げ切ってA級戦初V。4月にはホームバンクの福井で2度目の優勝を飾った。同県同期の野原雅也の陰に隠れた存在だったが、ここにきて急速に成績を上げてきた。要因は明白。以前の小柄な清水を覚えていればびっくりするほどボリュームアップした下半身が走りを一変させた。
 「74キロだった体重は、今は80キロあります。昨年5月に落車をして見つめ直した時に、自分は体が小さいからエンジンを大きくしないと上の選手とは戦えないと気付いたんです。先輩の松山(勝久、73期)さんも鍛えたことで成績が良くなりましたからね」。ウエイトトレーニングによる下半身の筋肉の増量が着数字の〝減量〟に直結。現状に満足せず、これからも続けていくと言う。
 好調の原因はもう一つある。自分を全力で支えてくれる人の存在だ。4月上旬に結婚した愛妻は、スポーツ選手の身体のことを考えた料理を毎日たくさん作ってくれるという。ノロケ半分!?ながら幸せ一杯の表情が全てを物語る。「同県同期の江端(隆司)君とはお互いに高め合っているし、野原君がよい手本となってくれている。近畿の103期は栗山(俊介)さん、中井(俊亮)君、元砂(勇雪)君ら、みんな活躍していますからね。僕は乗り遅れてしまったけど、これからです。まだまだ伸びしろがあると信じて頑張ります」。
 まさに追いつき、追い越せ―。ライバルの背中ははっきりと見えている。


豊橋競輪場より