インタビュー

山下一輝 山口 96期 S級2班
徹底先行を貫く
 S級復帰初戦の別府競輪場で、恕迫力の先行を披露した。打鐘からよどみなく駆けて4番手をキープした人気の岡崎智哉(大阪、96期)を不発にしただけでなく、単独マークの児玉慎一郎(香川、76期)まで振り切り、3連単で2万500円の好配当を提供した。「2コーナーからのかかりが尋常じゃなかった。最後の踏み直しが強烈だった」とマークの児玉が山下のパワーに舌を巻いていた。

山下一輝 山口 96期
 会心の勝利に「A級最終戦の高松決勝で鐘前から突っ張って逃げ切れたのが自信になっています。ある意味、勝ち癖をつけてS級に戻ってこれたと思う」と、目を輝かせていた。前期はA級に甘んじた山下。4月の向日町では失格の憂き目にもあったが、なんとかS級点はキープできたようだ。「結果待ちだけどね。A級では大敗するケースが多かったし、優勝が1回だけだったけどね。よくリカバリーできたと思う」と、笑顔で振り返る。「A級では人気になるから、受けるレースも増えてまくりに構えるケースも多かったけど、やはり、自分は逃げてこそですよね。S級では自分の持ち味を思う存分、発揮したいですね」と、大暴れを誓っていた。
 迎えた準決勝は青森伸也(福島、87期)と打鐘から壮絶なもがき合いを演じたが、それでも先手は取り切った。「4コーナーまでは、いい夢をみれました。でも、さすがS級上位陣は違いますね。再確認しました。でも、自分もこのクラス(準決)をコンスタントに走っていたら、さらにパワーアップするはず。今の目標は、まずは競走得点を100点台にしたい。一歩一歩、コツコツと頑張りますよ」戦法に迷いはない。最終日も8着に敗れたが果敢に先行して三宅達也(岡山、79期)の1着取りに貢献していた。
 7月18日現在の競走得点は95点。まだまだ人気薄だが、秘めたパワーはそれ以上。穴党にとって8月の山下は迷わず「買い」だ。


別府競輪場より