インタビュー

佐々木龍 神奈川 109期 A級3班
期待は高まるばかりだ。
 父・龍也のDNAを受け継ぐ佐々木龍。デビューしてから順調にキャリアを積み重ねている。プロ第1走は2着も、2日目は1着。そして優勝。2場所目も2着スタートから連勝で連続Vを決めた。そして迎えた平塚開催。初めての地元シリーズ。3場所連続Vに向けて前検日から気迫がみなぎっていた。予選。積極果敢に先行。3場所目にして初めての初日白星かと思われたが、3番手の青山佐知男の強襲に屈し、またもや2着。「悔しいです。それにしてもまた2着なんて(笑い)」。準決は1着でクリアしたが、内容が伴わなかった。最終ホームは3番手のイン。外をどかすのか、それともともっと早く引いて巻き返すのか。結局、最終バックで外に持ち出すことができたが、決して褒められるものではなかった。それは本人も重々承知で「情けない、小さいレースをしてしまいました」と猛省した。たまたまチャレンジだったから外に持ち出せたが、A級1、2班、S級では相手も百戦錬磨。最後までインに詰まったままだったかもしれない。決勝も最終2角まくりでVを飾ったが、道中の位置取りで脚を使い過ぎる印象だった。

佐々木龍 神奈川 109期
 早稲田大学在学中から中長距離のホープとして注目を集めた。ナショナルチームに選ばれ五輪候補と言われた逸材。しかし、プロレーサーになるまでの道のりは険しかった。中長距離で培った脚と競輪の脚は根本的に違う。そのせいか2回受験に失敗。最後と決めた3回目で合格した。まだまだ競輪選手としての体は出来上がっていないが、徐々にではあるが逞しくなってきたことも事実だ。「ずっと優勝しているけど、レースが小さいです。もっとスケールの大きな競走をしないと上では通用しない」。平塚後の弥彦でも優勝を飾ったが、準決が2着。完全優勝とはいかなかった。
 ポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。「焦らずです」。父・龍也も病気と闘いながらトップレーサーの地位を確立した。4場所連続Vは立派な成績。だが、佐々木に求められるのは内容も伴った走り。競輪選手になった以上、S級のトップで活躍しなければ面白くないだろう。佐々木にはそれだけの素質がある。だからこそ、ただ勝つだけではなく、他を圧倒する走り、力でねじ伏せる競走を期待したい。


平塚競輪場より